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もう中学生が語る、ミュージカル『メリー・ポピンズ』に出演して見た景色

暮らし

「愛燦燦」は思い出づくりで歌った

――昨年のミュージカル『メリー・ポピンズ』では、バンクス家の使用人ロバートソン・アイ役で出演。どんな流れでオーディションを受けることになったのでしょうか?

もう中学生:『メリー・ポピンズ』は、役者探しに3年くらいかかっていたような厳しいオーディション。そのなかで、日本チームの方が僕の名前を挙げてくださったみたいです。ただ、最初にお話をいただいたときは、「僕は歌もダンスもできない」とお断りしたんですけど、「来るだけでいいから」とおっしゃるので、思い出づくりのつもりで向かいました。

――オーディションでは、美空ひばりさんの「愛燦燦(あいさんさん)」を披露されたそうですね。なぜこの曲だったのでしょうか?

もう中学生:オーディション会場に行ったら、外国の審査員の方たちがズラッ~といて。圧倒されつつ、「歌もダンスもなんにもできないんですよ」と言ったら、外国の方たちが「こんな人はじめてだ」みたい感じでザワザワしはじめたんです。

 その流れで、「なんか歌える曲ないの?」と来たので、どうせ僕はオーディションに落ちるし、せっかく日本にいらっしゃってるから、「愛燦燦」を歌おうと。ただ、いざ歌ったら有名な歌唱指導の先生から「音程が違う!」って永遠とダメ出しを受けて(苦笑)。

 そのうちに審査員の方たちからもクスクス笑われちゃった。まぁでも、いい思い出ができたなって感じだったんですけど、数日後にマネージャーさんから「選ばれましたよ」と言われて。ビックリしましたけど、今度は稽古までに準備しなきゃいけない。慌てて区民センターの教室に通って半年間、エアロビクスとか発声練習とかを習いました。

ミュージカル出演で「見たことない景色」に

芸人

舞台出演で「自分を表現する魅力にとりつかれた」

――『メリー・ポピンズ』は、主演の濱田めぐみさんや平原綾香さんをはじめ、そうそうたる顔ぶれです。本番や稽古は緊張しませんでしたか?

もう中学生:周りのみなさんはミュージカル経験が豊富な方ばかりで、稽古初日は僕だけが端っこでポツンって感じでした。それを察したのか、濱田めぐみさんが近づいて来て「吉本ってどんな会社なの?」とフランクに話しかけてくださって。そこから、ほかの共演者の方とも話せるようになりました。あのときは濱田さんに救われた思いでしたね。

――公演終了後には、「新たな夢もできました」とツイートされています。

もう中学生:やっぱりまたミュージカルに出たいと思ったんです。僕のネタは自作自演ですけど、海外のお話のすごいセットのなかで、自分を表現する魅力にとりつかれたというか。みんなで力を合わせて舞台をつくり上げて、終わったら「お疲れさまでした!」って言えるのも含めて、いいなって。

 お笑いの世界に飛び込んで、いろんな経験をさせていただきましたけど、「まだこんなに見たことない景色もあるんだ!」ってワクワクできたんですよね。

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