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コネもツラいよ…入社直後から先輩・上司に嫌われて「社内ニート」に

学び

 いつの時代も就職活動の時期になると、「あーあ、コネさえあれば苦労しないのになぁ」という呟きが聞こえてくるものです。

 ここ数年は「売り手優位」の就職状況とはいえ、何十社にもおよぶ応募書類の作成や面接から解放される「コネ入社」に魅力を感じてしまう人も多いはず。

就活

※画像はイメージです(以下同じ)

 ただ、実際は良い面ばかりではなく、入社早々の無視、社内ニートなど入社前には思いもよらなかった事態に直面してしまうこともあるようです。

口利きしてくれた会長が入社前、体調不良で退職

 今から8年前に地方にある中堅の農業資材卸売業者にコネ入社した中谷涼太(仮名・30歳)さん。御多分にもれず、コネ入社が確定していた就活時は自由を満喫していたそうです。

「大学に入ったときに祖父から『親交の深い会長が経営する会社を紹介してやる』と言われていたので、それをあてにして全く就活しませんでした。実際、履歴書を1枚送るだけで面接もなしに合格。当時(2011年)、就職市場はまだ氷河期でしたが、あくせく就活する友達を尻目に遊びまくっていましたね」

 そう言って笑う中谷さん。ただ、そんなに世の中は甘くないと知ったのは、入社予定日から1か月前のことだといいます。

「口利きをしてくれた会長さんが体調不良で急遽退職することを祖父から知らされました。祖父は『会長の息子=社長さんにも話は通じているから問題ない』と楽観していましたが、僕はなんとなくいやな予感がしていました」

入社1日目で机に座るだけの「余剰人員」

ブラック

 実際、そのときの中谷さんの直感は的中することになります。出社初日は30分前に会社に到着し、朝礼では自己紹介。その際に辞令をもらって初めて自分が「主事(事務職)」で採用されたと知ったといいます。

「案内されたデスクに座るまでは、ほぼイメージ通りでした。ただ、それから1時間経ったころ、違和感を覚えはじめました。椅子に座った僕に誰も近づいてきてくれないんです。結局その日は、書類など事務作業だけで会社の案内や先輩への挨拶もありませんでした」

 初日ならまだしも、その次の日も、さらに次の日も「完全放置」状態が続いたといいます。

「入社4日が経っても相変わらずの様子なので、『もしかして、試されているのだろうか』と思い、同じフロアにいる上長に思い切って『僕になにかできることはありますか?』と声をかけたんです」

 その答えに中谷さんはがく然としました。

「上長は一言、『ないからとりあえず座っていて』と言ったのです。それから、またデスクに座って数日間、待ち続けましたが、仕事が振られるどころか、研修なども一切ありません。どうやら、僕が入った事務職はすでに十分に人手が足りていたようで入社早々、余剰社員扱いされていたようです」

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