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転職先は「女性が正社員になれない」会社だった。老舗企業の体質に絶望

学び

 晴れて志望企業に入社できても、労働環境や人間関係など、入社後に気づく問題もあるようです。

入社後ギャップ

※画像はイメージです(以下、同じ)

 コールセンター勤務を経て、雑誌の編集者として活躍する木本陽子さん(仮名・29歳)。編集職としては2社目となり、現在は公私ともに充実した生活を送っているといいますが、そこに至るまでは紆余曲折があったようです。

憧れの企業にめでたく配属。しかし……

「出版社志望で就活していたんですけど、軒並み門前払いを食らってしまい……。就職浪人をするわけにもいかず、一旦別の仕事をやりつつ、夢を追いかけることにしました」

 地道な転職活動を重ねるうちに、老舗出版社に入社が決まり、某雑誌の編集部にめでたく配属されます。

「小さな頃から憧れていた仕事でしたし、以前から読んでいた雑誌だったこともあり、喜びもひとしおでした。ただ、勤務開始からしばらく経ち、自らの会社に独自のルールがあることを知ったんです。

 女性は中途で契約社員として採り、新卒で採るのは男性に限定されていたんです。面接のときに正社員への登用もあり得ると聞いたので、一生懸命働いていたんですが、よく調べてみると、そもそも女性が正社員になったことがない会社だったんです」

 周りの女性たちも、甘んじてその状況を受けれているようでした。あるタイミングが来ると、理由をつけて、契約を途中で更新してくれなくなるとか……。

“やりがい搾取”の労働環境

正社員

 陽子さんの古巣は今どき珍しいくらいの男尊女卑がまかり通っていました。社内事情に詳しい同僚によると、創立からずっと続いている伝統で、歴代の社長や役員は“しきたり”をずっと守り続けていたという話です。

「幹部候補は生え抜きの男性で、私たち女性は、言い方悪いですけど、使い捨て。諦めた様子の女性の先輩から、この話を聞いたとき、男女比の割に妙齢の女性がいない訳をようやく理解し、同時に目の前が真っ暗になりました」

 残業してもみなし手当が月数時間分、“やりがい搾取”されていることを自覚しつつも、納得した上で入社したので、薄給にはさほど気にならなかったそう。しかし、努力が報われないと知ってしまったときの衝撃は大きかったようです。

「年2回のボーナスは、正社員なら成果に応じて1~2か月分支給されますが、契約社員はどれだけ頑張っても寸志のみ。実は社内の後輩社員と付き合っていたんですけど、魔が差して給与明細を見てしまい、後悔しました。これほどまでに差があるのかと……」

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