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ブラック企業サバイバーが語る「働きすぎて耐性ができた」と感じた瞬間

学び

 新卒採用の社員が感じる入社後キャップとは、大きくは事前に調べた情報やその企業に対するイメージとのズレにあります。

面接 就職

※画像はイメージです(以下同じ)

 これに対して中途採用などの転職組はこれらの事前情報やイメージに加え、前に勤めていた会社との比較でギャップを感じます。

転職先の口コミサイトの評価は最悪

 4年前からイベント会社で働く吉見一郎さん(仮名・32歳)前の職場とのギャップを感じた一人。ただし、それはポジティブな意味でのギャップでしたが、「最初はそのように捉えていなかった」と言います。

「実は、採用が決まった後、ネットの口コミサイトで今の会社についての書き込みがあったんです。すでに辞めた複数の元社員からの投稿でしたが、『残業が多い』『上司が仕事をムチャ振りする』などブラック企業臭が漂う内容ばかり。このときは入る会社を間違えたかな、すぐにまた転職活動をしなきゃならないかも、とネガティブなことばかり考えていました」

 でも、いざ働き始めていると、そこまでキツいとは感じなかったとか。

「仕事柄、イベント現場にも立ち会わなければならず、土日に出勤することも多く、直前には残業が続くこともあります。同僚のみんなも『あまりに仕事がキツくて驚いてるでしょ』『よくウチみたいな会社に入ったよね』なんて自虐的な冗談を言うんですけど、僕自身はブラック企業という感覚がまったくありませんでした」

前職は月100時間以上の超過勤務も

ブラック企業

 ちなみに吉見さんの前の職場は学習塾。そこがあまりにブラックすぎる環境で、「前の会社よりラクじゃん」と錯覚してしまったようです。

「20代半ばで教室長にさせられ、それから辞めるまでの間は地獄でしたね。朝9時に出勤し、授業が始まる夕方までは入塾希望者への説明や申し込み手続きを行い、それがない日は電話勧誘などの営業活動。授業は夜10時ごろまであって、その後も個別で生徒からの質問に対応したり、報告書を書いたりで家に戻るのは深夜12時過ぎ。しかも、教室長は管理職扱いでも残業は付きません。

 当時は月に150時間くらい残業していましたが、それでも内勤の本部スタッフに異動するまでの我慢だと耐えていましたが、生徒集めのノルマと上からのプレッシャーがキツくて……。さすがにこれ以上ここで働いていたら自分がおかしくなると思って辞めました」

 ネットの口コミサイトの情報、同僚たちの言うことも多少は話を盛っている部分があるにせよ恐らく本当のことなのでしょう。

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