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ブラック企業サバイバーが語る「働きすぎて耐性ができた」と感じた瞬間

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転職先は“ブラック気味”のホワイト企業

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 現在のイベント会社は、毎月50時間の残業があるとのこと。働き改革の導入で各企業の平均残業時間が減っていることを考えると、なかなかハードな職場のように思えます。しかし、吉見さんの前の職場は、過労死や精神を病んでもおかしくないレベル。今の会社がラクだと勘違いするのもうなずけます。

「もう4年も働いているので、さすがにイベント会社がラクという錯覚はないですが、それでもブラックだった学習塾の環境のせいで耐性ができていたのかもしれません。それに今は残業が多くても休日はちゃんと確保できますし、忙しくない時期に限られますが有給休暇をまとめて消化しても文句は言われません。

 企業として当たり前のことかもしれませんけど、そんなふうに思えるのも最初の勤務先がブラックだったからなんでしょうね。学習塾に勤めていた6年間も、あの長い残業時間も、自分にとってムダじゃなかったように感じます」

 経営陣が聞いたら喜びそうなコメントですが、うがった見方をすれば“社畜”という印象が拭えません。イベント会社の環境が本当に優れているならともかく、彼のケースを単に「よかったね」で片付けるのも問題のような気がします。

 転職後、いい意味・悪い意味の双方で前の職場とのギャップを感じるのは仕方ないことです。でも、企業側はそう感じる社員が1人でも減るように待遇や労務環境の改善を努力する必要もありそうです。

特集・新入社員がおどろいた「入社後ギャップ」

<TEXT/トシタカマサ イラスト/小池祐子(@ikeko322)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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