松屋の牛めし「特盛」と「並盛2杯」はどっちが高コスパ?実際に量って比較検証

手軽に食べられる外食の定番「牛丼」。近年の物価高により値上がりを余儀なくされつつも、働く私たちにとって安くお腹を満たしたいときの有力な選択肢だ。牛丼チェーン御三家の一角『松屋』の定番商品「牛めし」は、並盛460円、大盛680円、特盛860円。単純に価格だけを見れば当然、サイズが大きくなるほど高くなる。では実際のところ、値段に対してどれだけ量が増えているのだろう。
今回は松屋の牛めしをテイクアウトし、並盛、大盛、特盛の3サイズについて、ご飯や具材の重量を実際に計測。「最もコスパがいいサイズ」はどれなのか検証。すると、驚きの結果が見えてきた…!
「並盛」「大盛」「特盛」の重量を計測
検証をする前にまずはレギュレーションを確認しておこう。今回、計測するのは松屋の牛めし「並盛」と「大盛」、そして「特盛」だ。それぞれの具材(あたま)とご飯の量を測定していく。注文は、テイクアウトで「つゆなし」かつ「セパレート」を指定、同一の店舗、同一の時間帯で行った。
言わずもがなだが、店内での飲食、またはオペレーション状況や人によって数値にブレが出るのは考慮した上での検証となる。牛めしを愛する紳士淑女の皆さまにおいては、今回の数値はあくまで参考値としてみてほしい。

では、スタンダードな並盛(460円)から見ていこう。牛めしをそのまま計測すると、総重量は269g(器の重量を除いた上での測定。※以下略)。


続いてご飯と具材を分けて量ったところ、ご飯は201g、具材は68gだった。さらに、玉ねぎをより分け、肉のみの重さは51gだった。今回の検証では、これら数値を比較する際の基準とする。

次いで、大盛(680円)。総重量は401gとなり、並盛から132g増加している。


内訳を見ると、ご飯は301g。並盛の201gから、ちょうど100g増えており、1.5倍ほどの増加率だ。一方、玉ねぎを含む具材は100gで、より分け後の純粋な肉の重さは84g。並盛の51gと比べると33g増え、約1.65倍となっている。

最後は、松屋の牛めしでもっとも大きいサイズとなる特盛(860円)。総重量は505g。並盛と比べれば236g、大盛と比べても104g重い。

ご飯は344g。大盛が301gだったことを考えると、大盛から特盛へのサイズアップで増えたご飯は43gで、並盛から大盛ほどの増加率はないように見える。

一方で、玉ねぎを含む具材の重さは161g(移す過程で2gほど減少)を記録。並盛の具材の総重量が68g、大盛の具材の総重量が100gであったことを振り返ると、並盛の約2.4倍、大盛の1.6倍にあたる。さらに、肉のみの重さでは、並盛の約2.9倍、大盛の約1.8倍となり、特盛はとりわけ肉量の増加が目立つ結果となった。
1円あたりの重量で比べると?
ここまでの計測で、それぞれのサイズによってご飯と肉の増え方が大きく異なることがわかった。では、価格まで含めて考えた場合、もっともコストパフォーマンスに優れているのはどのサイズなのだろうか。
まずは、価格1円あたりに食べられる総重量を算出してみる。
■総重量コスパ(1円当たりの総重量)
①大盛 0.59g
①特盛 0.59g
③並盛 0.58g
結果はほぼ横並び。わずかな差はありつつもほぼ同水準で、単純に「大きいサイズほど割高・割安になる」というわけではなさそうだ。
続いて、ご飯だけで比較するとどうだろうか。
■ご飯量コスパ(1円当たりのご飯量)
①大盛 0.44g
①並盛 0.44g
③特盛 0.40g
こちらでは、大盛と並盛が同水準だが、特盛は0.40gとやや数字を落とした。先ほどの計測でも見えた通り、大盛から特盛ではご飯の増加幅が比較的小さいことが影響している。
次いで、玉ねぎを含めた「具材全体」で比較してみよう。
■具材量コスパ(1円当たりの具材量/玉ねぎあり)
①特盛 0.19g
②並盛 0.15g
③大盛 0.15g
ここでは特盛が明確にトップ。並盛と大盛はほぼ同水準だったのに対し、特盛は1円当たり0.19gと頭ひとつ抜ける結果となった。
最後に、玉ねぎをより分けた肉のみの比較を見てみよう。
■肉量コスパ(1円当たりの肉量)
①特盛 0.17g
②大盛 0.12g
③並盛 0.11g
こちらでも特盛が頭ひとつ抜ける結果となった。並盛から特盛では価格が400円上がる一方、今回の実測では肉量が51gから148gへと約2.9倍に増加している。
つまり、ご飯を含めた総重量では3サイズに大きな差はないものの、「肉をどれだけ多く食べられるか」という観点では特盛のコストパフォーマンスが明確に高いことがわかった。
並盛2杯と特盛。コスパがいいのはどっち?

ここまでの検証を踏まえ、いよいよ本題だ。松屋の牛めし「並盛」を2杯注文した場合と、「特盛」を1杯注文した場合では、どちらが高コスパなのだろうか。
まず価格は、並盛2杯が920円なのに対し、特盛は860円。特盛のほうが60円安い。
総重量を比較すると、並盛2杯は538g、特盛は505gとなり、並盛2杯が33gほど上回る。さらにご飯も、並盛2杯が402gなのに対して特盛は344g。58gの差をつけて並盛2杯に軍配が上がる。
ところが、肉量では結果が逆転する。玉ねぎ抜きで計測した肉は、並盛2杯が合計102gなのに対し、特盛は148g。特盛のほうが46g多く、約1.45倍の肉を食べられる計算だ。
この両者の比較を経て言えるのは、「とにかくご飯を含めた総量を多く食べたい」というのであれば並盛2杯。一方で、「肉をより多くかつコスパよく食べたい」のであれば、特盛を注文するのがその欲求にそった選択と言えそうだ。
しかも特盛は、並盛2杯よりも60円安く、それでいて肉は多いのだから、肉を基準としてコスパを考えるなら、特盛の優位性は明確と言ってもいいだろう。
前半にも記した通り今回の検証や結果はあくまで参考値だ。必ずしも同じ結果が出るとは限らない。と、責任をゆだねるのもなんか嫌なので、同一の検証を別の2店舗でも行ったが、今回の検証と大きく乖離した結果は出なかった。
みんなの食卓でありたい。松屋のコスパ・ホスピタリティ極まれり
最後に、今回の検証を通して改めて感じたのが、松屋のコスパとホスピタリティだ。昨今の物価高時代において、この価格帯でこれだけの満足感を実現しているのは素直にありがたい。さらに、テイクアウトではなく店舗で食べれば、松屋の代名詞ともいえるみそ汁までついてくる……驚愕だ。
そしてホスピタリティ。これまで筆者は実店舗でしか利用したことがなかったため、テイクアウトでは具材とご飯を分ける「セパレート」の形式があることを今回初めて知った。公式によれば、レンジで温め直すことで、できたてのおいしさを味わえることなどがメリットだという(今回の検証でも非常に役立った)。
とはいえ、実際に飲食の現場で長く働いていた身としては、こうした細かな注文への対応には、少なからず手間がかかるだろうと想像する。だが、現場で丁寧に対応してくれたことが何よりもうれしかった。いま一度、松屋の企業努力と、働く人々に最大限の感謝とリスペクトを。
文・写真:土田洋祐
画像:PIXTA