自転車日本一周で得た“出合い”。名店で修行した「実力派カレー店主」を直撃
名だたるインド料理店で磨いてきた圧倒的なスキルと大らかな人柄で多くの人から慕われているのが、東京都中野区新井薬師前にあるインド料理とスパイス料理のお店「マロロガバワン」(@marologab)の店主、礒邊和敬さんです。
今回はカレー研究家のスパイシー丸山がカレーや趣味の音楽のこと、そして自身のキャリアなどを聞きました。実力派店主のカレー人生のルーツは意外なところにありました。
小5の時に食べたキーマカレーがルーツ
――礒邊さんがカレーにハマったのはいつぐらいからですか?
礒邊和敬(以下、礒邊):小さいころから好きでカレーがとにかく大好きだったんですよ。今はもうないんですけど、地元の厚木に「マドライ」というお店があって、オーナーは昔「アジャンタ(麹町にある南インド料理の老舗)」でやってた人。小学5年の時にそこのキーマカレーを食べて衝撃を受けて、カレー人生はそこからです。
――小5の時に食べたキーマカレーがルーツなんですか!
礒邊:ルーツですね。結局そのキーマカレーが作りたかったというか、食べたかったというのがインド料理にハマるきっかけ。今でもそうなんですけど、インド料理というよりはそのキーマカレーが本当に好きだったんですよね。
――料理と同じくらい好きだったのが音楽だそうですね。
礒邊:高校を卒業した後は音楽の専門学校に行って、そこでオリジナルのバンドを組んで本格的に始めることなったんです。19歳で組んでガッツリやっていたのは4年間くらい。結局、バンドは解散することになるんですが、その頃からタブラ(インドの打楽器)をやるようになって、今度はタブラを叩くユニットを組んでユルく活動してました。その時のユニットが「マロロガ」っていう名前で今のウチの店名になっているんです。
食べ終わった直後に修行を直訴
――しっかり今につながっているんですね! ところで、料理活動と音楽はいつ頃からクロスしていったんですか。
礒邊:22~23歳の時ですかね。その頃はバンド活動がほとんどできない状態になっていて。バンドで売れるとか現実的に考えていなかったので、それだったら好きな料理をやりたいなっていうのがあって。当時からアルバイトは全部飲食店で、その時はイタリアンをやってたんですよ。そこで料理をしっかり学びながら週1で自分のカレーを出したりしてました。
――その後、高幡不動のインド料理店「アンジュナ」で修行をされるわけですが、きっかけはあったんですか。
礒邊:その頃はカレーの食べ歩きをよくしてたんですよ。高幡不動のアンジュナをたまたま見つけてキーマカレーを食べてみたら、小5の時に食べたキーマカレーにソックリで驚いたんです。偶然だったんですけど、マドライと同じくアジャンタで修行をしたお店だったんです。食べ終わった直後に「ここで修行したいです!」って、いきなり店長にお願いしちゃったんですよね(笑)。最初は断られたんですけど偶然が重なって働かせてもらえることになって。そこから7年くらいアンジュナで働きました。