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「飲み会ではソフトドリンク禁止」アルハラ上司の洗脳で自分も加害者に…

学び

 セクハラ、パワハラ……。ハラスメントに敏感になっていく社会で、見逃されがちなのがアルハラ(アルコールハラスメント)です。

 お酒の入った席では、多少の発言はノリで済まされがち。しかし、そのことに悩む人は数多くいます。

上司の発言に驚愕「飲み会に参加しないヤツは評価落とす」

aruhara

アルハラ被害を受けた里田ゆみ子さん(仮名・33歳)

 金融関連会社の管理部門で働いていた里田ゆみ子さん(仮名・33歳)の上司は、ひどいアルハラ上司でした。

「俺の酒が飲めないのか? という典型的な古いタイプの上司でした。大手の古い会社だったので、そもそも男尊女卑の男社会。セクハラ、パワハラ発言は頻発していましたし、アルハラもしょっちゅうでしたよ」

 人事評価の迫ったある日、恒例の部の飲み会でその上司が驚くべき発言をしました。

「飲み会に参加しないヤツは、いい評価付けないからな」

 驚いた里田さんでしたが、上司は部内の絶対権力者。当時は、今よりもハラスメントに厳しくなかったこともあり、異を唱える人は居ませんでした。

 実際にその後の人事評価で、飲み会にフル参加していた忠実な部下は課長に昇格。体質でお酒を飲めない社員がその部に配属されるという理不尽な人事があったそうです。

ソフトドリンク禁止、酔うと人格否定…

ビールを飲む男性

※画像はイメージです(以下、同じ)

「飲み会の空気が悪くなるだろ、とソフトドリンクの注文は禁止だったんです」

 お酒好きの上司の指示で、飲み会は頻繁に開催されました。

「部下に翌日納期の仕事を指示しておきながら、酔っ払うとその部下を呼び出すんです。当然仕事は納期に間に合わなくて、次の日に激怒。でも飲み会に行かなくても怒るので、みんな八方塞がりでしたね。偉そうにしているけど、実は寂しがり屋なので、飲み会の参加者が少ないと不機嫌になるんです。翌日の仕事がやりづらくなるのも嫌で、渋々参加していましたよ」

 酔うと発言はエスカレート。人格を否定するような発言も出たそう。ですが、不思議と人は慣れていくもの。その部署でベテランになるに従い、里田さんの中で、徐々にその光景が日常になっていきました。

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