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自分自身がスマホに飲み込まれ、アプリになる気がした……ふかわりょうが実践した「スマホを持たない旅」

『スマホを置いて旅したら』(大和書房)を刊行したふかわりょうさん

 スマートフォン(以下、スマホ)があればなんでもできるし、どんなことでも知ることができるように思える今だが、「そのスマホを持たないで、慣れない街を旅すること」の答えは、当のスマホでは見出しにくそうだ。

 そんな逆説的な考えのもとで、「スマホを持たない旅」を実践し、エッセイと写真でまとめ一冊の本にしたのがタレントのふかわりょうさん。デビュー当初より、体当たり的なテレビ企画を買って出ていたふかわさんなだけに、その内容もまた「事前には絶対にわからない感動」ばかりなのではないかと興味そそられ本書を手にとった。

知らない島で携帯を持たない感覚をもう一度

スマホを持たない旅とは!?

 本書の冒頭では、ふかわさんのこんなメッセージが綴られている。

 初めてアイスランドを訪れたときのこと。当時はまだスマートフォン(以下、スマホ)というものが存在せず、ケータイを持参していました。しかし、設定の問題なのか、現地ではずっと圏外。全く繋がらない状態に、体が不安を覚えます。メールが届いているのではないか、連絡が途絶えていないかと。しかし、三日目くらいから心境が変わってきました。
<中略>
スマホを悪者にするつもりも、手放すつもりもありません。昔はよかったとノスタルジーに浸るものでもありません。あの島で味わった感覚を、もう一度味わえたなら。そんな淡い期待を抱きながら、私は旅に出ることにしました(本書より)

 こういった思いのもと、「あてなし、金なし、スマホなし」の「3なし旅」として向かった先は岐阜県美濃地方。3泊4日の旅である。

 東京からかの地に赴くには、新幹線で名古屋まで行き、在来線の特急列車、普通列車を乗り継ぐが、出だしからふかわさんは足止めを喰らった。行きの新幹線の車内で停電し、新幹線自体がストップしたのだ。
 
 「地震による停電なのか」「台風による停電なのか」「それとも、凶悪事件などが起きたためなのか」……スマホがあれば、今の状況をいち早く知ることができるが、スマホがないのでそれは無理。自ずとあらゆる想像力を働かせてしまうる必要がある。

 結果、しばらくして新幹線は復旧したが、名古屋駅に着いてもやはり台風停電の影響で在来線が動いておらず、ここでもまた「その場での勘」を頼りにバスに乗り換えながら、無事岐阜県美濃地方に入ることができたふかわさんだった。
 

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