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「熱燗は酔いやすい説」は本当か?自宅で楽しむコツを“お酒のプロ”が解説

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 大寒波で日本中が凍えた日は記憶に新しく、先日は東京でも大雪が降った。まだまだ春は遠く、厚着が必要な日々が続くだろう。しかし、吞兵衛にとってこの時期ならではの贅沢もある。「熱燗」をちびちびとすすり、じんわりと身体を芯から温めていくのは、古の時代から続く風物詩だ。

熱燗

画像はイメージです(以下同じ)

 居酒屋の肴に合わせるのも格別だが、自宅でリラックスしながら楽しむのもまた乙だ。とはいえ、「温かければ熱燗?」「何度?」「どうやって作ればいい?」といった疑問が頭に浮かび、二の足を踏んではいないか。それはもったいない。ポイントをいくつか抑えれば、本格的な熱燗が楽しめることをぜひ知ってほしい。

 今回の記事では、J.S.A認定ソムリエの筆者が「熱燗」について解説していく。

50℃で飲むのが「熱燗」

 日本酒は温度によって香りや風味に驚くほど違いがある。例えば、日本酒は5℃〜50℃の間で細かく名称が分かれている。

【温度帯による名称】
5℃:雪冷え(ゆきびえ)
10℃:花冷え(はなびえ)
15℃:涼冷え(すずひえ)
30℃:日向燗(ひなたかん)
35℃:人肌燗(ひとはだかん)
40℃:ぬる燗
45℃:上燗(じょうかん)
50℃:熱燗

 熱燗やぬる燗は聞いたことがあっても、雪冷えや日向燗は初耳という方も多いのではないだろうか。そして多くの人が勘違いしてしまうのは、「あつあつ」で飲むのではなく、50℃で飲むのが「熱燗」ということだ(※熱燗以上の温度で飲むのは「飛びきり燗」という)

電子レンジで作る際は「数回に分ける」

熱燗

 熱燗を作るには、鍋にたっぷりの熱湯を用意して徳利を入れるのが1番良いのだが、カジュアルに楽しみたいのであれば、電子レンジを使ってしまおう。日本酒は香りが繊細なので電子レンジでのやり方は正直おすすめできないが、あるポイントをおさえるだけで香りが飛ぶのを和らげることができる。

 例えば500Wの電子レンジの場合なら、1分加熱すると1合分(180ml)がちょうど熱燗ほどの温度になる。ただ、このやり方だと日本酒の香りがアルコールと共に抜けやすくなっていってしまう。

 ポイントは数回に分けて加熱すること。徳利やグラスで温めると、上部と下部でどうしても温度差が生まれてしまうので、30秒加熱したら徳利やグラスを優しく振って日本酒全体の温度を均一にしておく。その後再度30秒温めるとちょうど良い熱燗の温度になる。また、徳利やグラスに軽くラップをしておくと、香りが飛びにくい。必ずラップをして加熱をしよう

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