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新人で年収700万円…高年収を捨てて「やりがいで働く」29歳男性の“幸福論”

コラム

弁護士を断念したことに父親が激怒

 大学を卒業してすぐ働き、父親を養おうとした池上さんでしたが、しかし、それを聞いた父親は激怒します。

「弁護士を断念して、高収入の仕事に就いたことを僕の恋人から聞いたそうなんですが、『親のことよりも、自分の人生を悔いなく生きなさい』と激励してくれたんです。オヤジの言葉をそのまま先輩に伝えると、先輩も応援すると言ってくれました。そのとき、何が何でも弁護士になると決めましたね」

 1年で不動産会社を退社した池上さんは、2年間ロースクールで学び、ストレートで司法試験に合格。

「研修ののちに、有名な事務所でインターンとして働き、事務所から就職のオファーをもらうほどになりました」

ストレートで司法試験に合格

弁護士 お金

 ところが池上さんは、そこでまたもや「やりがいのある仕事」を追求します。

「弁護士になりたかった理由は、苦労して育ててくれたオヤジの後ろ姿を見て育ったから。決して目立たないけど、一生懸命に生きている人たちに寄り添うような仕事をしたい。そこで法テラスの弁護士を希望しました」

 法テラスというのは、法的なトラブルに遭遇したときに、法律の専門家に依頼したいにもかかわらず、経済的に余裕がない人を支援する制度。困っている人が無料で法律相談を受けたり、弁護士費用などを分割で支払えるような仕組みがあります。

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