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俳優・高橋侃、江口洋介の付き人を経験して溜めた「自分へのフラストレーション」

暮らし

 有名ヘアサロンのSHIMAで美容師として働きながら、同時期に「ドルチェ&ガッバーナ」をはじめとした有名ブランドほかのファッション・モデルとして活動したのち、2020年からは俳優として歩んでいる高橋侃(たかはしなお・27)さん。

高橋侃

高橋侃(なお)さん

 デビュードラマ『先生を消す方程式。』を皮切りに出演作を重ね、今年はNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、宮澤エマさん演じる実衣に琵琶を教えて魅了する結城朝光を演じるなど、早くも頭角を現しています。

 現在、一人の女子高生の死をきっかけに、愛せない母と愛されたい娘、それぞれの視点によって衝撃的な事実が浮かび上がっていく、ベストセラー作家・湊かなえさんの小説を戸田恵梨香さん主演、永野芽郁さん共演で映画化した話題作『母性』が公開中の高橋さんに、本作のことだけでなく、ちょうど本作撮影期間中だったという、江口洋介さんの付き人経験の感想などを聞きました。

永野芽郁はフラットでフランク

母性

(C) 2022映画「母性」製作委員会

――永野芽郁さんの演じた清佳は、まっすぐすぎて融通の利かない面を持っています。高橋さんが演じた亨は、そんな清佳にも直球で意見を言いつつ、その場の空気を崩さないバランス力にも長けた青年です。高橋さん自身と似ているところはありますか?

高橋侃(以下、高橋):自分が正しいと思ったことを、みんなの前でも言えるところは一緒だと思います。でも僕は、たぶんその場の空気も崩してしまうことがあると思うので、亨はすごく素敵な男の子だなと感じました。それに、彼をひと言で表すと、「ま、いっか」という精神を持っていると思うんです。いい意味での軽さが、清佳にとって心安らげる瞬間になっていると映れば嬉しいです。

――まさに清佳のそばに亨がいてよかったと感じました。永野さんはどんな方でしたか?

高橋:めちゃくちゃ素敵な方でした。フラットで、フランクで、きっととても気にかけてくださったんでしょうけど、そんな感じは出さず、普通に話してくれるんです。すごくお話しやすかったですし、ラクでした。高校の同級生という関係にも違和感がありませんでした。

名匠からのドキリとする指摘

高橋侃

――本作は名匠と呼ばれる廣木隆一監督が撮られています。多くの俳優さんが影響を受けたと語る監督さんですが、ご一緒していかがでしたか?

高橋:僕もハッとした瞬間がありました。振り返るシーンを演じたときに、監督から「振り返るって背中に書いてある」と言われたんです。どうしても僕自身は脚本から、呼ばれることが分かっていて振り向くから、空気に出ていたんですよね。その後、指摘をいただいてから2回目くらいでOKが出たので、気づいてからは大丈夫だったのかなと思いますが。

――ドキっとする指摘ですが、そこで萎縮してしまうことはないのでしょうか。

高橋:萎縮はないです。「なるほど」と気づきに繋がりました。

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