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俳優・高橋侃、江口洋介の付き人を経験して溜めた「自分へのフラストレーション」

暮らし

頑張ったらこういう夢もある可能性を見た

高橋侃

――海外の一流ホテルに泊まって、ボディガードも付いてといった経験をしてしまうと、日常に戻れなさそうです。

高橋:変に自信を持ちすぎることはなかったです。スターの姿をガツンと見ているので。純粋に圧倒されました。夢を見させてもらっただけです。でも頑張ったらこういう夢もあるんだよという可能性を見させてもらいました。そして力をつけなきゃと思って帰ってきました。

――そこから「一流のモデルに!」ではなく、「早くスタイリストになるぞ!」と決意して、実際にスタイリストになったわけですが、そこからほどなく役者業へ舵を切りました。

高橋:スタイリストになった時点で、モデルの仕事は辞めようと思っていました。それでスタイリスト1本でやろうと思ったのですが、実際にそうなるとダメだったんです。これはモデルを辞めてみて分かったことで、2つをやっていたから力を注げていたものが、そこが崩れたらスタイリストのほうにも力を注げなくなったんです。そこから今の道に飛び込みました。

去年は江口洋介の付き人を経験

母性

(C) 2022映画「母性」製作委員会

――事務所に所属されてまだ2年ほどですが、俳優デビュー後に、江口洋介さんの付き人をやっていた時期もあるとか。ご自身で手を挙げて?

高橋:はい。去年の1月から7月くらいまでの半年ほどですが。知らないことが多すぎると感じたので、自分から申し出ました。美容師としてやってきたことが影響しているのかもしれません。アシスタントは、スタイリストの仕事を近くで見て、営業が終わってから勉強していきます。俳優の仕事も、もちろん映画やドラマを見て勉強できることもあるかもしれないけれど、やっぱり現場に足を運んでみないと分からないことがたくさんあると思うんです。

――江口さんは。

高橋:快くOKしてくださって、面倒を見てくださいました。江口さんも、売れる前に現場で裏方仕事をした経験があるそうなんです。だから僕の気持ちもすごく理解してくださって。現場マネージャーとして、江口さんが欲しいと感じているタイミングにコーヒーや水を渡したり、弁当を片付けたり、朝は事務所に車を取りに行って、江口さんを迎えにいって現場に届けて、また事務所に車を戻してといったことをすべてやって、スタッフさんたちの仕事にさらにリスペクトを持つようになりました。

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