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副業で「女子大生イベント派遣業」を起業した20代たちの残念な末路

コラム

「大学生をイベントスタッフとして雇い、企業とコラボするビジネスをスタートした頃まではよかったんですけど」と、悔しそうに振り返る前田光佳さん(仮名・26歳)

大学生

※画像はイメージです(以下同じ)

 マーケティング会社に勤務している前田さんが大学時代の友達たちと一緒に1年前、ある副業をスタートします。その顛末とは何だったのでしょう?

「大学生50人集めると儲かるぞ!」の誘い文句に

 社会人になって、いつからか大学時代のゼミ仲間4人と定期的に集まるようになったという前田さん。ある時、広告代理店の友人から「大学生をスタッフにするビジネスって、どう?」と持ち掛けられます。

「複数の政治家にコネのある代理店の友達が、大学生を集めて、議員パーティーのスタッフとして派遣するという企画を提案しました。企業に協賛してもらって、その商品でお土産もつけるというのです。

 財務関係の仕事に就いているメンバーの一人が『大学生50人集めると儲かるぞ!』と、太鼓判を押したので、さっそく大学生に『社会人とのコネができる』とSNSで呼び掛けて、タダ同然で働いてもらいました。交通費くらいは払いましたけどね」

 大学生を派遣するイベントビジネスで、1年間に一人30万円以上の儲けがあったとか。副業としては結構な金額です。

「パーティーの成功で、代理店の友達がさらに営業し、2年目には女子大生に特化したり、毎月のようにイベントを開けたりするようになりました。ところが、儲かったお金を分配するより、他のビジネスに投資して、もっと儲けようという欲が出てしまったんです」

「自分たちの店を持てる!」という夢の前に…

居酒屋の店長

 そのうち飲食業界に明るいメンバーが「赤坂にある居酒屋経営に、投資しよう」と提案します。しかし決まりそうになると、財務関係職のメンバーが「やめる!」とあっさり手を引いたのです。

 前田さんも代理店の友人も、「飲食は難しいかも」と躊躇しましたが、「自分たちの店を持てる!」という夢の前では、冷静な判断を下せなかったとか。

「千代田線赤坂駅と、銀座線溜池山王駅の両方を使えるアクセスの良い一角にあって、イタリアンとタイと和食を融合したシャレた居酒屋に投資しました。僕たちがオーナーなので、好きなときに行って飲んだり、時には女の子をデートに誘って『自分の店だ』と自慢したりしました」

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