小芝風花、芝居を続けるには「やっぱり売れることも必要」10代からの“心境の変化”も
映画では「若者のツルツル化現象」が発生
――ポップでありながら、現代社会の問題も映し出しているシリーズです。映画版の面白さはどこにあると感じましたか?
小芝:これまで古来からの妖怪が現代風にアレンジされて出てきていたのが、映画では現代に誕生した、映画オリジナルの新しい妖怪が出てきます。それも今の時代だからこそ生まれる妖怪なので、そうした部分を楽しんでいただけたらと思います。
――映画ではいろいろな欲望を無くした「若者のツルツル化現象」が描かれます。その裏に「新しい妖怪」の誕生があったと。
小芝:人間の欲のせいで争いが起きたりするのは事実で、新しい妖怪が「人間の欲がさまざまな問題を起こしているのだから、欲をすべて消してしまえばいいんだ」と言うのも、全部が間違っているわけではないんです。
でも美味しいごはんを食べたいなという欲や、楽しいことをしたいな、こうなりたいなとか、仲間を大事にしたい、誰かと一緒にいたいといった欲までなくしてしまうと、生きる意欲や楽しみもなくなってしまう。そうしたことも描かれていて、この映画を観たあとには、笑うだけじゃなくて、討論会ができるんじゃないかと思います。
やっぱり売れることも必要
――愛についても描かれます。
小芝:自分を犠牲にする愛もあったりします。完成した映画を観て、「こんなにふざけてたっけ」とビックリしましたが(笑)。それだけじゃない、意外と壮大なテーマが隠れている作品だと思います。
――人に意欲は必要だという話が出ましたが、小芝さん自身はお芝居を続けるうえで、どんなことがモチベーションになっていますか?
小芝:いろんな作品を拝見していて、こういう作品に自分もキャスティングしていただきたいなと思うことがありますが、それってある程度の知名度がないとキャスティングに名前もあがらないですよね。なので、やっぱり売れることも必要だと思います。それにスタッフ、キャストみんなで作った作品は、たくさんの人に届けたい。
そのためにも、自分が出ていることによって、「この作品面白そう」と思ってもらえるような人になれたら、そうした気持ちはモチベーションになります。あとは作品を観てくださった方から感想をいただくことも嬉しいですし、やっぱりモチベーションのひとつになります。