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「食べログ」、絶対王者の地位が揺らぐか。“異例の判決”とステマ問題

ビジネス

飲食店と協力者によるステマ問題

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 しかし、食べログが頭を悩ませている問題があります。飲食店やその協力者によるステマです。

 2017年6月に有名レビュアーが、飲食店から過剰な接待を受けていたことを『週刊文春』が報じ、大問題になりました。食べログはステマ対策として、ユーザーの実在性の確認、通報窓口の用意などを行ってきました。また、場合によっては目視で不正業者特有の動きを検出し、ユーザーアカウントの停止・口コミの削除を行っているとしています。

飲食店と食べログのイタチごっこは続く

 もしも飲食店が不正な口コミ投稿を重ねており、食べログがそれを発見してアカウントや口コミを削除することになれば、店舗の評価は変わるはず。それはアルゴリズムの変更ではなく、不正を排除して正常な評価に戻ったことになります。

 飲食店の評価基準(アルゴリズム)をすべて公開してしまえば、その仕組みを利用して悪だくみをする人や事業者が必ず現れます。この観点から食べログはすべての情報を公開しきれないのです。

 独占禁止法とステマの間で揺れ動く食べログ。運営するカカクコムは判決を不当だとして即日控訴しています。一方、韓流村は6月22日に食べログの独占禁止法違反行為に対する集団訴訟の呼びかけを行いました。アルゴリズムの変更によって被害を受けたチェーン店との結束を求めているのです。注目の裁判は続きます。

<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。現在はコンサルタントという名の中小企業経営者のサンドバッグ役を務めるかたわら、経済の面白さを広く伝えるため、開示情報を分析した記事を書いている。好きな言葉は美食家・北大路魯山人の「硬め、麺少なめ、ニンニクマシマシ」

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