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“ブライダル最大手”の創業会長に聞いた「結婚式場の次はホテル」の理由とは

ビジネス

願望に寄らず、自分の価値観を知ること

テイクアンドギヴ・ニーズ

 コロナ禍はまだ収束の兆しが見えず、さらには国際情勢の悪化に伴う物価上昇などによって、この先も不確実な未来が予想される。そんな時代であっても、幾多の困難を乗り越えてきた野尻氏の見つめる明日は明るい。最後に、20代のビジネスパーソンに向けてのメッセージをもらった。

繰り返しになりますが、『自分をよく知ること』です。これは若くても私のような団塊世代の人であっても言えることなんです。ともすれば、若い人よりも私と同世代の人が自分の価値観を知らずに、願望だけが先走ってしまって、あれもこれも手を出しているかもしれない。

 今の若者はSNSで世界中のあらゆる情報を簡単に手に入れることができ、『私はこういう価値観を持っている』と自覚していることも多い気がします。そういう意味では、僕たちが若かった頃よりも、自分のことをよく知っているかもしれません。

 自分が何をしたいのかを考え、それに沿ったライフスタイルを選んでいけば、心が豊かになり、より良い人生を歩んでいけると思います。一方で、どんなに自分とマッチした仕事でも、何かしらのストレスを感じることもあるでしょう。でも、すぐに合わないと思わず、諦めないことが重要です。苦労や失敗から吸収し、自分ができることが何かを追求していけば、きっと道を切り開いていけるはずです」

 ハウスウェディングという新しいスタイルを生み出し、ブライダル業界をリードしてきたT&G。これからは「日本のホテル業界にイノベーションを起こす」ことを見据え、野尻氏の挑戦は続く。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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