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“ブライダル最大手”の創業会長に聞いた「結婚式場の次はホテル」の理由とは

ビジネス

主体性を身につけるための社員教育

 これまでのT&Gの躍進や、危機に瀕したときでも全社一丸となって壁を乗り越える逆境力は、「社員の主体性があってのこと」だと野尻氏は語る。

「TRUNKにおいては、マニュアル型マネジメントではなく、主体性型マネジメントを取り入れており、主体性を身につける社内制度が充実しています。これは、新卒も中途も関係なく稼働の5~10%を自分のやりたいこと(WANT)に充てる時間を作れるような制度になっています。また、資格取得をしたり、カルチャースクールに通ったり、海外のホテルに行ったりと、主体性を持って学ぶための予算を使う権限を社員が持っています。

 この制度を導入したばかりのうちは、『時間がない』となかなか社員たちから利用されない状況でした。そこから社内でケーススタディを公開し、『こんなWANTも実現できるんだ』と知ってもらうことで、積極的に制度活用を促しています。人件費のほかに主体性を身につけるための社員教育のコストを年間一人当たり30万~40万円捻出することで、社員自ら意思を持って働くマインドが醸成されていくんです」

働き方や制度設計を社員自らが決めていく

テイクアンドギヴ・ニーズ

TRUNK WINTER MARKET 2021の様子

 また、主体性を身につけるためのOJTや教育制度を設け、メンターが対象の社員を引き上げていく仕組みも整えているそうだ。TRUNK(HOTEL)では昨年、新卒だけの「WANT」プロジェクトが立ち上がり、社内外を巻き込んだプロジェクトとして推進。「TRUNK WINTER MARKET 2021」には7日間で延べ2000人もの参加があったという

「日本人は主体性がないと言われていますが、当社では主体性が身につく環境を用意していて、今の若い世代も働きやすい雰囲気になっていると思っています。社員自ら現場のオペレーションや制度設計、働き方などを決め、裁量を持って仕事に取り組める社内風土が根付いているので、問題解決能力やプロジェクト推進力も自ずと備わっていく。こうした社員に任せる経営方針も相まって、採用の30%以上はリファラルになっているんです」

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