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「リクルート事件」とは何だったのか?――平成の企業スキャンダル史

ビジネス

 平成も残りわずか。

 最近もいろいろなスキャンダルが巷を賑わせていますが、この30余年の間で起きた印象的な企業スキャンダルを振り返ってみましょう。

 シリーズ1回目は、昭和と平成のまさに狭間に起こった「リクルート事件」

日本中を揺るがした平成最初の企業スキャンダル

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『リクルート事件・江副浩正の真実』(江副浩正・著/中央公論新社・刊)

 事件の概要は、リクルート社の創業者・江副浩正氏が、自社の政財界における地位を高めるために、1984年12月から翌4月にかけて、政治家や官僚らに、グループ企業であるリクルート・コスモス社の未公開株を譲渡したというもの。

 値上がり確実な未公開株を店頭公開前に譲渡することで、利益を供与するという目的があったのです。

 この戦後最大級の汚職事件は1988年6月18日に、神奈川県川崎市助役への株譲渡を朝日新聞がスクープしたことで明るみに出ます

 その後のマスコミの取材により、なんと、中曽根康弘前首相をはじめ、当時の竹下登首相、宮澤喜一副総理・蔵相、安倍晋太郎自民党幹事長ら90人を超える政治家が、リクルート・コスモス株の譲渡を受けていたことが発覚。

事件発覚、そして……

 譲渡者への売却益は、合計で約6億円にのぼったと言われています。

 さらに事件発覚後、事態の収束を図ったリクルート・コスモス社が、国会で追及する予定だった野党社民連の衆議院議員・楢崎弥之助氏に、多額の現金が入った紙袋を無理やり渡そうとする収賄の決定的瞬間を、日本テレビが全国に放送して大きな衝撃を呼びます。楢崎氏が「おとり」となって日本テレビに隠し撮りさせていたのです。

 この事件を受け、東京地検特捜部は1989年、江副氏や藤波孝生元官房長官、高石邦男元文部事務次官など、贈賄側と収賄側で12人を起訴し、全員の有罪が確定します。

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