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日産「シーマ」が生産終了へ。消滅の理由は、したたかな“脱ゴーン”戦略にアリ

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 1988年に市場投入された「シーマ」が、2022年夏に生産終了を迎えます。3ナンバーの4ドアセダン・シーマの消滅は、SUVとミニバンが最盛期を迎える今の時代を象徴する出来事です。

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©dvoevnore

 日産自動車は2022年4月、100年以上の歴史を持つ「ダットサン」の生産中止も決定しました。ダットサンは2014年に新興国向けにブランドを復活したばかりでした。そのほか「フーガ」「スカイライン・ハイブリッド」など次々と生産終了を決めています。こうした動きは、日産の経営戦略ががらりと変わったことを示しています。

売上高は緩やかに上昇しているが…

 日産の経営戦略と業績の変化は密接な関係があり、非常にわかりやすいという特徴があります。2000年度から2021年度(予想)までの売上高と営業利益の推移を見てみましょう。2001年度から2007年度にかけて力強く営業利益が上昇しています。営業利益率は2001年度の0.9%から2007年度には6.0%まで上がりました

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日産の売上高と営業利益(単位:億円) ※決算短信より筆者作成(営業利益の目盛は右軸)

 2008年度から急速に売上高を落としているのは、世界金融危機(リーマンショック)で景気が急悪化したためです。2011年度からは緩やかに売上高は上昇しています。しかし、営業利益はそれに追いついていません

 2011年度の営業利益率は2.5%。そこから営業利益率を少しずつ落としながら、2018年度は1.3%となりました。新型コロナウイルス感染拡大によって2020年度の営業利益率は、営業赤字ギリギリの0.1%。2021年度はとうとう31億円の営業赤字となりました

ルノーから送りこまれたカルロス・ゴーン氏

カルロス・ゴーン

※カルロス・ゴーン公式Youtubeより

 ここからは、日産の業績と経営戦略を3つの期間に分割して解説します。1つ目は2000年代前半に業績が急回復した期間。2つ目は世界金融危機後に売上高が緩やかに回復したものの、営業利益率を落とした期間。3つ目は新型コロナウイルス感染拡大以降の期間です。

 カルロス・ゴーン氏が日産の最高執行責任者に就任したのは1999年6月。2000年6月に社長となりました。1980年代後半のバブル景気の波にのり、日産は収益性の高い高級車「シーマ」「セドリック」、「グロリア」だけでなく、「シルビア」「スカイライン」「フェアレディZ」などヒットを連発していました。しかし、バブル崩壊で高級車を中心に販売不振が続き、業績が悪化します。

 1999年3月にフランスの自動車メーカーであるルノーと資本提携契約を締結。傘下に入ります。再建の立役者としてルノーから送りこまれたのがカルロス・ゴーン氏でした。

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