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地元の友人をダマして、29歳男性が乗り切った「ブラック企業勤務」の結末

コラム

 人は誰しも外面をよく見せたいもの。とはいえ、周囲の目を気にしすぎたあまり、厄介な事態に陥ってしまうこともあるようです。Web系の会社でSEをしている佐野裕平さん(29歳・仮名)は、これまで積み上げてきたものが、音を立てて崩れていくような体験をしたといいます。

落ち込む男性

画像はイメージです(以下同じ)

上京しても華やかな生活が待っているわけでもないのに…

「私は東北出身で、地元の専門学校を卒業し、都市部にあるシステム開発会社に就職しました。問題が起こったのは、2年目で東京にある支店に転勤した時。地元を失ってしまうような危機感がありました

 佐野さんの周囲は、地元で暮らす人間が多く、上京するパターンはほとんどなかったそうです。それゆえに羨望のまなざしを向けられたんだとか。

「東京勤務になったことを友人に話したら、『すごいな!』と言われました。うちの会社は4次請け、5次請けあたりの開発をおこなっていて、特に華やかな世界が待っているわけでもありませんでした。話に尾ひれがついているような気がしましたが、友人たちに手放しで褒められるのが心地よかったので、そのまま受け流していました

友人にちょっと話を盛ってみたら…

 東京に転勤してからも、地元の友人たちと頻繁に連絡を取っていた佐野さん。ある時、こんな話題に。

「どんな仕事をしているのか聞かれたので、誰もが知っている大手通販サイトの開発に関わっていた話をしたんです。そうしたら、友人から『すげーな!』と驚かれて、『給料もいいんだろ?』と。中小企業ですし、経験年数も浅いので、当然給料は安くて、築年数の経った6畳一間のボロアパート暮らし。しかし、『どうせバレないだろ』と思って、ちょっと話を盛って『オートロック付きのマンションに住んでる』と話したんです

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