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トイレットペーパーは価格1.5倍に!アメリカ人の家庭を直撃する「物価高騰」をルポ

ビジネス

 日本ではうまい棒が10➝12円はじめ、あらゆる食品や日用品が値上げして話題だが、米国では昨年春以来、消費者物価指数(Consumer Price Index)の上昇が止まらず、2022年1月の前年同月比上昇率は7.5%米国労働省労働統計局 / Bureau of Labor Statistics 2022年2月10日発表)となっている。

アメリカ

※画像はイメージです

 この数字は1982年以来の高水準だ。そのため、米国に住む筆者から見た日本の食品や日用品の値上げ率は「消費者に優しい」と感じる。

物価高騰が止まらない!

 日本では「東京ガスや大阪ガスなど大手4社で200円以上の値上げ」と聞くが、米国では天然ガスやガソリンの高騰が特に目立つ。筆者が住んでいるカリフォルニア州ロサンゼルス(L.A.)の天然ガスはオクラホマ州、テキサス州、ルイジアナ州から購入しているため、今冬は35%値上がりした。

 例えば、これまで月50ドル(約5750円)を天然ガス代に支払っていた人は、月67.50ドル(約7763円)となる。ガソリンも同様だ。筆者の車を満タンにすると、数年前までは25ドル(約2875円。ドル換算は1ドル115円)程度だったが、最近では50ドル(約5750円)近くとなり、約2倍の出費となっている

 L.A.のレギュラーガソリンの平均は、現在(2022年2月6日)、1ガロンあたり4.74ドル(1リットルあたり約143円)。東京のレギュラーガソリンの平均は1リットルあたり165.4円。東京と比べると、L.A.はましかもしれない。しかし、L.A.の昨年同時期のレギュラーガソリン平均は1ガロン3.50ドル(1リットルあたり約106円)だった。計算すると、昨年比35%の値上げとなっており、L.A.の住民にとってはかなり厳しい額なのだ。

米国

筆者のガソリン代のレシート。数年前に比べると2倍の出費

米国では「1ドルショップ」も値上げ

 筆者が住むアパートメントの家賃を例に挙げると、2016年まで住んでいたジム、スイミングプール、ジャグジー付きのアパートメント(日本でいうマンションの1LDK)が月あたり1000ドル(約11万5000円)も値上がり、5か月前まで住んでいたアパートメント(日本でいうアパートの1LDK)でスイミングプールなしでさえ月あたり275ドル(約3万1625円)も値上がりしている。たったの数か月で3万円以上も値上がりするとは驚きだ

米国

筆者が6年前まで住んでいたアパートメント(日本でいうマンション)の入居者募集の広告(※画像は一部修正)

 日本の100円ショップにあたる1ドルショップ(全商品が1ドル/約115円)は、米国に第二次世界大戦後から数えきれないほどある。

米国

筆者が5か月前まで住んでいたアパートメント(日本でいうアパート)の入居者募集の広告(※画像は一部修正)

 L.A.発で1982年創業の1ドルショップ「99 Cents Only Stores(99センツ・オンリー・ストアズ)」は、全商品が1ドルよりも安い99セント(約114円)だった。しかし、リーマンショック後(2008年)から99セント以上の商品も扱うようになり、今回の物価高騰ではこれまで99セントで頑張っていた商品も1.29ドル(約148円)や1.49ドル(約171円)という値段がついている

 最後まで値上げをせず全商品1ドル(約115円)またはそれ以下で商品を販売していた1ドルショップの大手チェーン「Dollar Tree(ダラー・ツリー)」(全米に1万5288店展開)も、ついに、今回の物価高騰で、2021年11月23日から全商品を1.25ドル(約144円)へ値上げしている。同社CEO(最高経営責任者)は2019年の時点で「1986年の1ドルは、2019年時点で2.30ドルなのだ」と投資家たちへ発言していた。

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