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トイレットペーパーは価格1.5倍に!アメリカ人の家庭を直撃する「物価高騰」をルポ

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当分は節約がカギ?

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筆者がスーパーマーケット「ゲルソンズ(Gelson’s)」で2021年1月に購入した食品。クーポン5ドル引きで、計241.11ドル(約2万7728円)。フィレミニョン(牛肉)をはじめ、チキンやサーモンなども多めに買っていた

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筆者がスーパーマーケット「ゲルソンズ」で2022年1月に購入した食品。クーポン5ドルと会員ポイント5ドル引きで、計95.77ドル(約1万1014円)。昨年はフィレミニョン(牛肉)が2切れで20ドル(約2300円)だったが、今年は30ドル(約3450円)を超えていたため買わなかった。値段があまり変化していないチキンは買った

 物価高騰の影響をあまり受けないように工夫している人もいる。会社員のトレイシー・G(Tracy G.)さんは「よく買う商品はセールになったらまとめ買い。もやし、ブロッコリースプラウト、カイワレ大根などを自宅で水栽培して食べて、食費を節約している」と言う。

カフェでコーヒーやお茶を飲まずに、家で淹れて、外食も控えて、なるべく自炊している。手作りのオーツ、ベークドポテト、ハマス(註:ひよこ豆を茹でてペースト状にしたもの)は、安い上に栄養価が高いので、よく食べている。リモートで仕事するようになったから、車をあまり使わず、ガソリン代は節約できていて助かっている」

 前述したスザンヌ・ランダーさんのように、特に高騰している商品を買い控えし、節約しながらこの時期を乗り越えていく、これが消費者の知恵だろう。

 筆者も車をなるべく使わず、ウォーキングで食料買い出しへ出かけている。大好物のフィレミニョン(牛肉の最高級の部位)も食べる回数を減らし、これまで目がいかなかったリーズナブルな値段で身体によい食材を購入し、自炊し、お金を有効に使いながら節約。ウォーキングでガソリン代も節約でき、健康を保てる。物価高騰を悲観的にとらえず、メリットへ転換し、工夫しながら暮らすことも大事だろう。

<TEXT/藤本庸子 Yoko Fujimoto>

米国カリフォルニア州ロサンゼルス33年在住のフリーランスライター。雑誌「アンアン(anan)」「メンズクラブ(MEN’S CLUB)」などのライターを経て、米国へ移住。米国起業家向け雑誌トップの「Entrepreneur Magazine」にてスタッフライター、NHKラジオ第一放送「ラジオ深夜便」ワールドネットワークにてリポーターの経験も。現在、新聞、雑誌、ウエブサイト、ラジオ、テレビなど、さまざまな分野および媒体をこなす

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