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残業ないけど下働きばかり…「ゆるブラック企業」で働く人に伝えたい2つのこと

学び

ゆるブラック企業で苦しむ人に伝えたい真実

 そのような人に伝えたいことは、大きく2つです。

1.「自分は、社長もしくは事業部長から抜本的な改善を頼まれたコンサルタントである」と仮定し、現状の把握や課題の明確化、打ち手の実行まで必死でやり切ること。
2.それをやり切ったと感じたら、その話を土産に、よりいい環境がある企業に転職すること。

「いやいや、そんな環境を選んだのはあなたなのだから、逃げずにその環境自体をよくすることを考えなさい!」と上から目線のアドバイスをすることは簡単です。しかしながら、現実的にはそれは非常に難しいと言わざるを得ません。

 会社の風土を抜本的に変えたり、重要な経営指標を変えるというのは、トップが深く関わって取り組んでもうまくいくかどうか……という問題です。イチ社員が必死に頑張ったところで、大きく変わる可能性は残念ながら低いでしょう。

現職での努力が、新天地への手土産になる

転職 仕事

 とはいえ、今いろいろなもやもやを感じているということは、「何かしら変えたい」という強い思いも持っているはずです。ぜひそれを言語化し、周りを巻き込み、少しでもインパクトを残せるように現職で努力してみてはいかがでしょうか。

 そのもやもやを抱えたまま、スタートアップなりコンサルティングファームなりに移ると、どうしても過去にやり残したことが気になってしまい、フルでパフォーマンスが出せない可能性があります。それよりも、今の不満を一気にぶつけ、少しでも改善するように努力してみること、それをおすすめしたいです。

 ただ、先述のように、それが抜本的な改善につながるほど甘くはないとも思います。ある程度の期間、その業務改善をやり切ったと感じたら、そこでの成果や充実感を手土産に、よりあなたにとって素晴らしい環境を選んでほしいなと思います。

 経営陣がしっかりと業績向上について真剣に考え、年齢に関わらず優秀な人材を抜擢し、存分に力をふるえる、そういう環境を選び、今後数十年のビジネスパーソン人生を輝かせる力を得てほしいです。少しでも多くの人が、自分の仕事に自信と充実感を持って邁進できることを願っています。

<TEXT/戦略コンサルタント Shin>

某外資系コンサルティングファームで戦略コンサルタントとして勤務したのち、現在は某外資系企業で業務改善や戦略策定等の業務に従事。ビジネス書作家。ブログ「Outward Matrix」、オンラインコミュニティ「Players」を運営。無料メールマガジンも好評配信中

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