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岸田首相、注目が集まる「2022年年頭会見」。安倍・菅路線からの脱却なるか

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安倍・菅路線から大きく方向転換

「分配なくして成長なし」と同じく、岸田首相が総裁選・衆院選を通じて掲げてきたのが「聞く力」です。岸田首相は藍色のノートを手にして、多くの人たちから意見や要望を聞きとってきたことを強調。こうした意見や要望を取りまとめ、それを政策に反映することを約束しています。

 発信力の強化、「言う力」によって支持を得てきた安倍・菅両首相と比べて、「聞く力」を強調する岸田首相は、これまでの政策から大きく方向転換を図ったことになります。

 安倍晋三首相(当時)から官邸で実施される記者会見にはプロンプターと呼ばれる機会が用意されるようになりました。岸田首相の記者会見でも、それは引き続き使用されています。しかし、安倍首相の記者会見では常態化していた事前に記者から質問をとりまとめることはしていません

 政治において発信力は、非常に重要な要素です。しかし、それ以上に政治に必要なのが「聞く力」です。本来、政治家の仕事は国民からの声・意見を聞くことです。なぜなら、政治家は自分のためではなく、国民(他人)のために働く仕事だからです。

聞く力を発揮しなければならないのは…

岸田文雄首相

岸田ノートを掲げて聞く力をアピールする岸田首相。隣に立つのが内閣官房参与に就任し、即辞任した石原伸晃氏

 岸田首相が「聞く力」を掲げたのは、言うならば安倍・菅内閣の政治から脱却し、新しい方向へ転換を図ったものと受け止めることができます。しかし、岸田首相が聞く力を発揮しなければならないのは、あくまでも国民の声や意見です。政治家や政党、業界団体の声に聞く力を発揮する必要はありません。

 岸田首相は、コロナ対策として18歳以下に支給される10万円の給付金のうち半分の5万円分をクーポンで配ることを表明。クーポンでの配布は、連立を組む公明党に配慮した結果とされています。クーポンを配布するための事務費が約967億円になるとの試算が報道されるにつれ、世論からの批判は高まりました。その結果、自治体の裁量で現金での全額支給も認められることになったのです。

 また、岸田首相は落選した石原伸晃氏を内閣官房参与へと起用すると発表。参与への起用についても強い批判が起き、雇用調整助成金の受給問題もあって、すぐに石原氏は辞任に追い込まれました。政治家も国民の1人です。だから、政治家から意見を聞くことも「聞く力」とはいえるかもしれません。

 とはいえ、政治家と国民を同列に見ることはできません。政治家は自身で政策を立案することができ、それを国会という公の場で主張できます。また、国会議員という立場から、官庁を動かすこともできます。

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