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小室眞子さん「年収1500万円報道」で注目、美術館学芸員。なぜアメリカでは人気の職業なのか

ビジネス

「鋭い感性と洞察力」が大切

 キュレーター(学芸員)に最も必要な技能や才能とは? 日本の外務省が設置している公共外交の機関「ジャパン・ハウス・ロサンゼルス(Japan House Los Angeles)」の海部優子館長に聞いた。

学芸員

日米の学芸員の違いについて語る、「ジャパン・ハウス・ロサンゼルス(Japan House Los Angeles)」の海部優子館長 © JAPAN HOUSE Los Angeles

「美術は、歴史や社会的背景があってこそ生命が吹き込まれるもの。美術や特定分野に関する深い知識はもちろん必要だが、何をどう伝えるかという鋭い感性と洞察力が大切」と、海部館長は説明する。

 また、求める学芸員像については次のように話す。

日本の学芸員は「仕事の範囲がより広い印象」

展覧会

日本の外務省が設置している公共外交の機関「ジャパン・ハウス・ロサンゼルス(Japan House Los Angeles)」の展覧会の様子 © JAPAN HOUSE Los Angeles

「(ジャパン・ハウスは通常の美術館、博物館ではなく、日本の良さ、ストーリーやメッセージを伝えていく使命を帯びているが)学芸員(企画チーム)にはそのようなジャパン・ハウス特有のビジョンやミッションを理解した上で、日本の何をどのようにして伝えていけば、アメリカ人の心に響くのかを常に考えて欲しい。そのためには日本語がある程度理解でき、日本文化や社会に精通していることを期待している」(海部館長)

 米国の著名な美術館や博物館とも交流のある海部館長に「日米の学芸員の違い」を聞くと、「米国の学芸員は、キュレーターと呼ばれているが、特に高い専門知識が求められ、展示の企画から実施まで責任を持って作品を管理する。日本の学芸員も高度な専門知識を持っているが、仕事の範囲がより広いような印象がある」と言う。

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