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日本の平均給与は433万円…日本だけ賃金が下がり続ける“3つの根本原因”

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 2021年9月29日に公表された国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査結果」によると、2020年の日本の平均給与は433万円となり、前年比0.8%の減少となりました。調査対象は日本の民間企業で働く給与所得者(正社員、非正社員、役員)です。

給料

※イメージです

平均給与は2年連続で減少

平均給与の推移

平均給与の推移 ※国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果について」より

 平均給与は2019年が436万円、2018年が441万円で、2年連続で前年を下回っています。2020年は新型コロナウイルス感染拡大による急激な景気低迷に見舞われましたが、給与額が落ち込んでいるのはそのせいばかりではありません。

 日本は欧米の金融関係者から「ジャパニフィケーション(日本化)」と呼ばれる、低成長、低インフレ、低金利が常態化しており、それが給与水準の上がらない最大の要因になっています。この記事では、日本の平均給与がなぜ上がらないのかを解説します。

先進国の中で明らかに貧しくなっている日本

実質賃金指数の推移の国際比較

実質賃金指数の推移の国際比較 ※全労連「実質賃金指数の推移の国際比較」より

 日本の賃金が他の先進国に比べ、明らかに伸びていないことがよくわかるグラフがあります。1997年を100とした場合の実質賃金指数の推移を比較したものです。

 実質賃金とは労働者が受け取った賃金に物価変動の影響を加味したものです。350mlのオレンジジュース100円の時代と200円の時代で、20万円を受け取った場合で重みは違います。その重みを加味したものです。スウェーデンは138.4、オーストラリアは131.8、経済大国アメリカも115.3と1997年の水準を軽々と上回っている一方、日本だけが89.7と下回っています。

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