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日本の平均給与は433万円…日本だけ賃金が下がり続ける“3つの根本原因”

ビジネス

日本の物価は上昇しなかった

消費者物価指数

消費者物価指数 ※労働政策研究・研修機構「新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響」より

 消費者はマンションや一軒家の価格が多少高かったとしても、住宅ローン金利が安いので買いやすくなります。これは企業も同じです。しかし、日本の物価は上昇していません

 2020年、新型コロナウイルスの影響によって各国ともに景気が冷え込んで物価指数は下がりましたが、2021年に入ってすぐに回復しました。日本だけが出遅れています。この状態がずっと続いているのです。

 企業は製品の値段を上げることができず、儲けることができません。賃金を上げようにも上げられないのです。金融機関から資金を借りられたとしても、国内には有望な投資先がなく、人件費の安い新興国に工場を作ることになります。安価な製品が日本に輸入されてデフレが継続するのです

「牛めし」30円の値上げで客数は1.8%減少

 企業が値上げをしづらいことを象徴する出来事があります。2018年4月に、大手牛丼チェーンの松屋が主力商品のひとつである「牛めし(並盛)」を30円値上げしました。この月の松屋フーズホールディングスの既存店の客数は前年比1.8%の減少となりました。5月も1.1%減、6月は3.3%もの減少に見舞われました。売上高に占める人件費の割合は決まっており、企業は賃金を上げようにも上げられません。

「企業がため込んだ内部留保を人件費に回せば良い」という主張を見かけますが、これは陰謀論に近い誤りです。

 内部留保とは貸借対照表上の利益剰余金(純利益から株主への配当を差し引いた額)を指していますが、これはあくまで会計上の概念です。法人税の引き下げなどで利益水準が上がり、利益剰余金が積み上がっている傾向にあることは間違いありません。

 しかし、会社の金庫に現金がため込まれているわけではなく、不動産などさまざまな形に変えられています。これを取り崩して労働者に分配することは不可能だと言えます。また、企業は成長力を取り戻すため、M&Aによる拡大を積極化しています。思い切った投資を行うためには、自己資本に厚みがあることが重要なのです。

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