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最大50円で「不満」を買い取るアプリに、大手企業が注目するワケ

ビジネス

 世の中に不満がない人はほとんどいないのではないだろうか? 特にコロナ禍が進んでいく上で緊急事態宣言が幾度も続き、国から行動を制御され続けていてはストレスが募るのも当然だ。

不満買取

「不満買取センター」アプリ(筆者撮影)

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 国連が国際幸福デーの3月20日に毎年発表している「世界幸福度ランキング」では、2021年度で日本が56位という結果だった。世界から見れば日本は豊かな国で幸せそうに見えるが、実際蓋を開ければ必ずしもそうではなく、不満を抱えていることがわかる。

 そんななか、人々の不満に目をつけ、その声を届けてくれる「不満買取センター」アプリが取材した2021年9月時点で登録者数68万人にのぼるなど注目されている。今回は不満買取センターを開発した、株式会社Insight Tech(以下インサイトテック)代表取締役社長伊藤友博氏に取材を試みた。

不満を集めて商品を変えていく

 不満をデータ化して、商品の開発などにつなげていくビジネススタイルのインサイトテック。人々の声でもある不満インサイトデータについてどのような価値を見出したのか?

「不満というと『高い・まずい』などのクレームに思われるのですが、不満の裏側は期待が隠されています。その期待を炙り出すことで、クライアントのビジネスチャンスを生み出すのが我々のミッションだと思っています」

 不満買取センターの不満インサイトデータと、アンケートなどの違いはどこにあるのだろう。

粉ミルクに関する投稿がお金に

不満買取

不満を入力するとAIが査定してポイントがもらえる。1日10件まで。500ポイント貯まるとショップギフト券と交換できる(画像提供)

「やはりバイアス(偏り)がない本音であることです。急に『いいアイデアを教えてください』と言われても、いざ考えるとほとんど出てきません。思ったときに自然な形で、偏りなくリアルタイムに投稿できるよさが、不満買取センターのデータの特徴かなと思っています」

 不満買取センターは、不満を書き込めば内容によって1~10ポイント(1p=1円)もらえるシステムだ。さらに「高価買取キャンペーン」だと最大50ポイントもらえる。実際にどんな不満内容があったのだろうか。

「街中で粉ミルクを子供にあげたい時に、わざわざコンビニでお湯をもらわなくても、『お湯を売っている自動販売機が欲しい』という声もあります。また、コロナ後では家族と暮らしている人だとリモートワークが増えたことで、『音に気を使う』などの不満もありました。生活シーンのなかで、大きく変化があったと感じられます。実際に経験しないと思いつかないような声が集まってきています」

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