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最大50円で「不満」を買い取るアプリに、大手企業が注目するワケ

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光るアイデアをビッグデータから見つける

不満買取

「不満買取センター」の公式ページ

 インサイトテックは、2600万件ものビッグデータのなかに隠されているアイデアをAIが抽出・提案する「アイデアイ」というサービスも展開。「マーケティング業界が注目する“声”はイノベーティブ=エクストリームであること」だと伊藤氏は語る。

「アイデアイはクライアント企業にとって面白く、かつレアな意見を、定期的にビッグデータのなかからピックアップして、商品開発をサポートするサービスです。マーケティング業界では『みんなと違う発言をしている人に注目したほうが良い』という大きなトレンドがあります。実際に『子供の離乳食に使える冷凍食品が欲しい』などの新しい価値が、アイデアイで見つかっています」

 アイデアイは多くの企業が利用しており、AIによる分析にとどまらず、実際に商品・サービス開発につなげてもらうサービスだ。

日本に「幸福でない」と感じる人が多い理由

「毎月、商品開発会議されているような企業でも、どうしても社員の思考によるバイアスがかかってしまいます。生活者の生声に基づいてアイデアを見たいという企業に、毎月100件ほどAIがピックアップしたものをお届けしています。見ていただく皆さんは商品開発のプロで目利きがすごいので、『今月はあんまりありませんでしたね』などのフィードバックもいただくこともありますが、実際にここから商品が生まれた事例も何件もあります

 そのビッグデータを通じて、「日本の幸福度が低い原因はどこにあるのか?」が見えてくるのだろうか?

幸福ではないと感じている人は、『自分の声が届いていない』と感じているのではと思います。自分が色々と思うことや悩んでいることを発言しても、政治や企業、地域などに届いていない。そんなモヤモヤしたものが世の中に渦巻いていて、それが『どうせ言っても実現しないよね』というような内向きな気持ちにつながり、さらに声を発しなくなってしまう、という負の連鎖が起こっているような気がします。

 これが日本で幸福度が上がらない一因ではないでしょうか。背景には、はっきり言うことに対して、後ろめたさがある国民性が影響しているかもしれません」

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