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ファミマ40周年でも復活せず…「消えたコンビニチェーン」の人気商品を発見!

ビジネス

 創業から40周年を迎えた大手コンビニエンストア「ファミリーマート」で、今年2021年8月から「懐かしの看板商品復活祭」と題してかつての人気商品の販売が行われていたことを覚えているだろうか。

 この看板商品復活祭ではファミリーマートに合併された「サークルK」「サンクス」「am/pm」の店舗で販売されていた弁当やスイーツが復刻されたことでも話題を呼んだが、その一方でSNSなどでは「懐かしのあのコンビニの商品がひとつもない!」という声が多く聞かれた

ファミリーマート

ファミリーマートで開催されていた「懐かしの看板商品復活祭」。サークルK、サンクス、am/pmのロゴも見えるが…筆者がなじみの「あのコンビニ」が無いじゃないか!

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 そうしたなか、今回は復活することができなかった「懐かしのあのコンビニの味」がいつでも楽しめるコンビニチェーンがあるという噂を耳にした。果たしてそれは本当なのか――実際に店舗へと向かってみた。

懐かしの人気商品を販売するチェーンとは…?

「懐かしのあのコンビニの味が楽しめるチェーン」とは、灯油販売などでも知られるエネルギー大手「ミツウロコグループHD」傘下のコンビニ、その名も「MG(ミツウロコ・グローサリー)」だ。この「MG」の前身となる店舗は「ココストア」(本社:名古屋市)と、末期はココストア傘下となっていた「エブリワン」(本社:熊本市)。

「ココストア」は1971年に名古屋の食品商社「盛田」(1665年創業、ソニー創業者・盛田昭夫氏の実家)系列であった「山泉商会」(のちの「イズミック」)のコンビニ事業部として創業。愛知県春日井市にあった1号店は「日本初の本格的コンビニ」としても知られていた。

 ココストアは一部店舗に「ココ・デ・クック」「ココ・デ・ベイク」と称する本格的なベーカリーと厨房を備えており「焼き立てパン」「出来立て弁当」を提供。店内で製造される「ばくだんおにぎり」は名物商品となっていた。

ファミリーマート

ココストアの店舗。他社とは全く違う色で目立っていた桃色の看板が懐かしい

 一方、九州を中心に展開していた「エブリワン」は1994年に九州最大手スーパーであった「ラララグループ寿屋」(本社:熊本市)のコンビニ事業部として創業。店内に本格的なベーカリーと厨房を備えていることで人気を呼び、1999年にはリョーユーパングループ(福岡県大野城市)の「RICマート」などと経営統合して規模を拡大するも(RICの屋号は存続)、 寿屋の経営悪化(2002年廃業)に伴い、2001年にココストアの傘下となった。

 ココストアグループは、2008年にはコンビニチェーン「スパー」「ホットスパー」の九州周辺の店舗(多くは沖縄県)を経営統合(ココストアに転換)するなどして経営規模を拡大。ココストア・エブリワン両社の人気商品の相互製造・販売も行われるようになっていたほか、沖縄のホットスパーを統合した経緯もあって、ベーカリーでは「サーターアンダーギー」、弁当ではスパムを挟んだ「ポークサンド」など沖縄名物のラインナップも充実していた

2015年にファミリーマートが買収

ファミリーマート

エブリワンの店舗。「ベーカリー併設」をウリとしていたが、ファミマ化されたのちはほとんどの店舗でベーカリーは廃止に

 大手コンビニ3社の寡占状態が強まるなか「焼き立てパン」「出来立て弁当」をはじめとした独自メニューの充実により顧客の支持を集めて来たココストアとエブリワンであったが、2015年12月にファミリーマートがココストアグループを買収。

 ほとんどの店舗が2016年上旬までに通常のファミリーマート店舗へと転換し、特徴であったベーカリーと厨房設備は沖縄県などの一部店舗を除いて撤去されることとなった(現在、沖縄県と鹿児島県の一部ファミリーマートはベーカリーを併設している)。

ファミリーマート

エブリワンに併設されていたベーカリー。「パンを焼く匂いが懐かしい」という人も多いだろう

 こうしたなか、ココストアとエブリワンの店舗のうち、「すでにファミマが徒歩圏にある」などの理由でファミリーマートが引き継がなかった店舗を継承したのがミツウロコグループであった。同社は2016年よりココストアとエブリワンが特徴としていた「焼き立てパン」「出来立て弁当」はもちろん、かつてのメニューをほぼそのまま引き継いだコンビニの運営を開始。2018年からは店舗ブランドを「MG」に改めている

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