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スターバックス、“47都道府県フラペチーノ”の開発秘話。実は関西から生まれた

ビジネス

 いまや街中には多くのカフェチェーンが点在している。老舗のドトールコーヒーや銀座ルノアールのほか、コメダ珈琲店、星乃珈琲店といったモーニングサービスを充実させるカフェも見かけるようになった。

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スターバックス コーヒー ジャパン株式会社 商品本部本部長の加藤桜子氏

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 カフェ業界の熾烈な競争が行われるなか、シアトル系コーヒーのパイオニアとして国内を牽引してきたのがスターバックスだ。1996年に銀座へ日本1号店を出店以来、唯一無二の価値を提供し、数多くの「スタバファン」に愛されるカフェチェーンになった。

 最近では2021年6月に47都道府県ごとにフレーバーが異なる「47 JIMOTO フラペチーノ」を発売し、大きな話題を呼んだ。スターバックスコーヒージャパン株式会社で商品本部本部長を務める加藤桜子氏に商品開発で心がけていることや、「47 JIMOTO フラペチーノ」誕生背景について話を聞いた。

常に「スターバックスらしさは何か」を

「スターバックス ラテ」や「キャラメル マキアート」、「キャラメル フラペチーノ」など、スターバックスには多くの人気メニューがある。他のカフェチェーンとは一味違う商品のラインナップが揃い、スターバックスならではの一杯を楽しめるのが魅力のひとつと言えるだろう。

 商品開発における基本的な考え方について、加藤氏は「お客様にどのように商品を体験していただきたいかが、提供する付加価値の根底にある」と話す。

「バリスタが1杯、1杯、真心を込めて最高のコーヒーを提供するのはもちろんですが、ただ日本のお客様に合う商品を出すのではなく、驚きや感動を付加価値として提供できるよう、常に心がけています。どんな商品を出す時も『スターバックスらしさは何か』を念頭に置きながら商品づくりを行っているんです

季節ごとのプロモーションを行う理由

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 わかりやすい例が、毎春恒例の「SAKURAプロモーション」だ。日本文化の象徴である桜を連想させるグッズやビバレッジメニューが毎年発売されているが、「お花見の季節だからピンクカラーの商品を出す、という考え方はしていない」と言う。

「麗らかで春爛漫な季節に想う心の機微や、お花見をしていてワクワクするような感情を想像しながら、お客様の気持ちにどれだけ寄り添えるかが大事だと考えています。これは春だけではなく、夏の季節やハロウィンなどオケージョンごとに『スターバックスとして提供できる情緒的価値は何か』を意識しながら、プロモーションを展開しているんです」

 こうしたスターバックスの商品開発は、1年以上のスパンでプランニングをしているという。新商品を出す上では「想像力と先読み力が鍵になってくる」と加藤氏は述べる。

「パートナー(従業員)やお客様からいただく意見に耳を傾け、現場からの声を参考にしながらプランニングに役立てています。もちろん、市場調査やマーケティング分析も行いますが、単にトレンドやSNS映えを狙っただけの商品を出しても、すぐに模倣されてしまう。必ずどこかにスターバックスらしさを入れ、惹きつける要素を考えるのが肝になってくるわけです

 食材、季節、味、ビジュアルなどあらゆる要素の組み合わせやかけ算を行い、創意工夫しながらユニークで意外性のある商品を見出していくことが重要になってきます。感性を働かせながら、1年先に求められる商品をいかに創造できるかが商品開発のやりがいでもあり、難しいところでもありますね」

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