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スターバックス、“47都道府県フラペチーノ”の開発秘話。実は関西から生まれた

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コロナで地元に行けずとも…試行錯誤の開発

スターバックス

写真左から「栃木 らいさま パチパチ チョコレート フラペチーノ」、「千葉 なごみ みたらし コーヒー クリーム フラペチーノ」

栃木県の『栃木 らいさま パチパチ チョコレート フラペチーノ』は個性あふれる商品でした。栃木と言えば生産量が高いイチゴを連想しますが、一方で日本でも有数の落雷が多い地域として名高く、まさか雷をモチーフにしたレシピが上がってくるとは思いませんでした。

 パチパチと弾ける食感のキャンディーや稲妻を模したマンゴーパッションソースなど、ビジュアルもインパクトのあるものになっていましたね。また、千葉県の『千葉 なごみ みたらし コーヒー クリーム フラペチーノ』は、生産量が日本一である醤油が地元に根付いていることに着目した意外性のある商品に仕上げたものでした

 しかし、47都道府県全ての地元愛を体現したフラペチーノを完成させるには、いわば47種類の新商品を出すのと同義であるゆえ、かなりの労力が必要になってくるだろう。加藤氏は、苦労したことについて「パートナーが選んだレシピを忠実に再現する」ことだとし、次のように説明する。

「数ある中から選んだレシピは、地元想いのパートナーが考えたアイデアの結晶とも呼べるものでした。思い入れが強いからこそ、それを忠実にかつ量産化できるようにしていくのがとても大変でした。コロナ禍で商品開発チームが現地に出向くことは難しかったのですが、オンラインで地元のパートナーと対話したり、エリアごとに議論したものを擦り合わせしたりと伴走しながら商品づくりを進めていきました」

一歩進んだサステナブルアクションを

「47都道府県全ての商品でレシピの最適化やチューニング、食材の調達などを行う必要があるので、過去のノウハウをもとにシュミレーションしながら妥協せずに取り組みましたね。ただ、ある程度、固まってきた段階で各エリアに原材料を送り、試作品を作ってもらうのですが、この試作については相当苦労を重ねました

 だからこそ、完成品が日の目を見たときには通常の商品以上に達成感や嬉しさがこみ上げてきて、また密に連携したパートナーとの絆もより深まったと改めて感じました」

 また、近年スターバックスではサステナブルを意識したMD商品(グッズ)も発売している。長年「One cup, One community, and One planet.」を掲げ、サステナブルアクションを行なってきた同社にとって、どのような取り組みを行なっていく予定なのだろうか。

「以前から『マイタンブラー持参で値引きする』といったリユースの取り組みを行なってきましたが、最近では環境負荷の少ない素材を使ったり不要になったタンブラーを回収して次の商品に再利用したりと、一歩進んだサステナブルアクションを実施しています

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