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カップかき氷「サクレ」36年間人気の秘訣と、苦戦したフレーバー

ビジネス

 コロナ禍の巣ごもりで、今夏は例年よりアイスを食べたという人もいたのでは? 1985年の販売開始から36年、世代を超えて愛されてきたフタバ食品のカップかき氷「サクレ」。サクサクとした食感のかき氷に、スライスレモンが乗った商品は多くの人が一度は食べたことがあるだろう。

フタバ食品企画部の三上菜穂さんと齊藤龍樹部長

左から、フタバ食品企画部の三上菜穂さんと齊藤龍樹部長

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 ロングセラー商品の裏側にはどんな思いが込められているのか、フタバ食品の取締役・企画部部長の齊藤龍樹さんと、企画部・三上菜穂さんにインタビューした。

巣ごもりで需要が高まるアイス

 日本アイスクリーム協会の資料によると、アイスクリーム(及び氷菓)の販売実績は2011年度(4058億円)以降7年連続で上昇し、2018年には5186億円の市場規模にまで拡大した。

 2019年度は天候不順の影響で前年比35億円減となったが、2020年度はコロナ禍の巣ごもり需要を追い風に、前年比46億円増と上昇に転じた

 そんなアイス市場で長年愛されてきた「サクレ」。「ガリガリ君」(赤城乳業)や「アイスボックス」(森永製菓)同様、「氷菓」に分類される。パッケージからはなんとなくレトロな雰囲気が漂うが、実はこれまでに12回もデザインが変更されており、時代の変化に合わせた努力がうかがえる。

 今回は、開発部の2人に開発秘話や商品へのこだわり、さらに、定番の“あのスライスレモン”の食べ方や、おすすめアレンジも聞いた。

“冷凍庫から出してすぐ食べられるかき氷”を目指して

サクレレモン

サクレレモン

 公式サイトのページ「サクレヒストリー」を見ると「こんなにも商品数があったのか!」と驚くほどだ。2021年8月現在、歴代で販売されたサクレのカップ商品は24種類、箱入りの商品などを合わせると31種類に及ぶという。

 そのルーツとなった「サクレレモン」はどのように生まれたのか。開発に携わった齊藤さんに聞いた。

「サクサク食感のかき氷として企画、販売を開始しました。当時から、いちごのみぞれがカップに入ったかき氷は他のメーカーから販売されていましたが、通常のかき氷ではスプーンが通りづらく、溶けていくうちにカップの周りが結露で水びたしになってしまうという課題があり、どうしようかと。そこで考えたのが、祭りの縁日で見かけるようにサクサクしていて、冷凍庫から出してもすぐ食べられるかき氷でした」(齊藤さん)

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