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カップかき氷「サクレ」36年間人気の秘訣と、苦戦したフレーバー

ビジネス

発売当初のターゲットは女子高生。現在の消費者は?

 商品バリエーションが豊富な現在、実際の消費者層はどんな人たちだろう。

「スーパーやコンビニの売り上げデータを見ると、当初、サクレレモンのターゲット層だった女子高生の方々がそのままスライドしていて、現在は40代から60代の方が中心になっています。また、年配の方にも人気で、病気がちだった方から、お葉書で『体を壊して何も食べられなかったけど、サクレなら食べられて食欲も増してきました』とうれしい声も届きました。

 一方、箱入りタイプは、お子さんなど家族と一緒に暮らす人たちに人気です。特に、コロナ禍となってからは顕著で、2020年夏以降でサクレシリーズの売り上げがグンと伸びました」(齊藤さん)

サクレレモンバーマルチ

「サクレ レモンバーマルチ」(希望小売価格:税込378円)

売り上げが天候に左右されるのは課題

 ロングセラー商品となると、生き残るための苦労もある。季節にも左右されるサクレには、かき氷という商品ならではの課題があった。

「やはり、かき氷という商品の性質上、夏場以外でどう売り込むかは昔も今も変わらない課題となっています。また、天候に左右される商品でもあるため、一番の売りどきである夏場に向けて、どれほど出荷するかは毎年の悩みでもありますね。当然ながら、猛暑が続けば商品の売れ行きも伸びますが、冷夏では売り上げが下がります。

 直近でも、2017年に冷夏となり売り上げが減ったのですが、翌年に猛暑日が続き、前年の影響で出荷数を低く見積もってしまい、出荷停止になってしまったこともありました。例年、翌年の販売計画を年末に立てて、2月頃から夏に向けて生産を始めるため、計算が狂う可能性も十分にあります。こればかりは、やはり避けては通れません」(齊藤さん)

 それでもなお、愛され続けるサクレ。最近では、商品のアレンジレシピをSNSにアップする人たちもたくさんいる。メーカーならではのおすすめもあるのか、聞いてみた。

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