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夢を諦めた元芸人が語る、社会の厳しさと「枚方パーク」に就職したワケ

暮らし

服屋さんで感じた厳しさと新たな出合い

――最初の再就職先は服屋さんの店員だったんですね! お客さんともうまくやりとりをしてそこで活躍しそうに思うのですが……。

後藤:ぼくもそう思っていたんですが……無理でしたね。服屋さんって、服を売る接客だけじゃなくて、次々と入ってくる新作の商品を覚えないといけないんですよ。これね、40歳を過ぎた世代からするとキツイんですよ。休憩中にバックルームで必死になって資料を読むんですが、なかなか頭に入らないですからね。

――そこで社会の厳しさを思い知ったんですね。

後藤:めちゃくちゃ感じました。芸人でそこそこやっていたとはいえ、その力なんかそれほど役に立たない。また、落ち込んでしまって。

――とはいえ、働かないといけないですからね。

後藤:そうそう。それで、本当に自分が好きなものって何やろうって考えたら、「人を楽しませることじゃないか」って思ってね。いろいろ探したら、偶然、「ひらかたパーク」でイベントホールのスタッフを募集していたんですよ。もうね、「これや!」って思いましたよ。遊園地なんか、まさに楽しい場所ですし、喜びに溢れていますからね。

芸人以上に楽しくて癒される仕事に

後藤秀樹さん

この職場が何よりの救いに。今では天職だと話す

――それで「ひらかたパーク」に入社されたワケですか。イベントホールスタッフということは、イベントのご案内をされる業務を?

後藤:そうです。シーズンごとに色々なイベントが開催されるので、お客さまをご誘導したり、小さなお子様にシールをお渡ししたりね。もう、仕事をしていてこんなに癒されていいんだろうかっていうぐらい楽しかったですよ(笑)。

――幸せにあふれている場所ですからね。

後藤:それから、乗り物を操作する業務も担当しましたよ。お子様の乗り物を操作すると、本当に楽しいんですよ。1回乗って面白かったら、何度も何度も乗ってくれる。お子様のほうから話しかけてくれて、心が安らぐような瞬間がいっぱいあるんですよね。だから、1つの乗り物を操作するためには、運転免許試験のようなテストがあるんですが、めちゃくちゃがんばりました。最終的には、4つの乗り物を操作できるようになりましたからね。

――なにがきっかけで今の駐車場の警備に異動されたのですか?

後藤:正直ね、年齢を重ねると物覚えが悪くなって、乗り物の試験をクリアするのが大変になってきまして。また、そこでどうしようかと思っていたら、今の上司の方が「芸人やってたんやろ? 面白そうやから一緒に警備やれへんけ?」って誘われましてね。

――どこかで聞いたことがあるような流れですね?(笑)。

後藤:ぼくもね、これはどこかで嗅いだことがある臭いやぞと。この方のもとで、新しい業務をがんばってみようと。それで、今の部署に異動になったんですよ。

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