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夢を諦めた元芸人が語る、社会の厳しさと「枚方パーク」に就職したワケ

暮らし

声が出なくなり、引退を決意

―――言葉がすっと出てこない?

後藤:はい。今までは瞬間的に言葉が出てくるのに、心の中で「これも違うんやろうな」と思うと、まったく出てこない。これはもう芸人としては致命的なんで、ちょっと休もうと思って休養したんですよ。

――そこから芸人を辞めようかどうかという心境になっていったのですね?

後藤:そうですね。あと、2丁目劇場時代とは違う、環境の変化も知らず知らずのうちにストレスになっていったみたいで身体も不調になって。それで、辞めようと。家族がいるんで、別の道で生きて行こうって決めたんですよ。

芸人を辞めて一般社会へ

後藤秀樹さん

駐車場受付でも軽快なトークが魅力だという

――一般企業で働こうと決意されたのですね。

後藤:思いました。どんな仕事が自分に合うかわからなかったんですが、当時から服が好きだったんで、アパレル系の企業にいくつか面接を受けに行きました。何かしら自分と接点がある仕事の方が合うんじゃないかという気持ちですね。

――じゃあ、履歴書もちゃんと書いて?

後藤:もうね、びっくりしましたよ。書くことが無いんですよ。高校卒業してから20年以上、芸人しかやってないから。ただ、アパレルの服屋さんの店員になろうと思っていたんで、特技を書く欄には、しっかり「お笑いです。軽快なトークで服を売りまくります」みたいなことを真剣に書いて(笑)。

――まだ芸人さん時代の「笑わせよう」っていう名残がありますね(笑)。結果はどうだったのですか?

後藤:面接を受けた、とある大手アパレルメーカーの方から直接電話がありまして、「後藤さんの才能に賭けてみたいです。他に面接を受けた企業から内定が出たとしても、うちに来てくれませんか?」ってアプローチされまして。芸人を辞めて、落ち込んでいる時期だったんで「わかりました! ぜひやらせていただきます」って喜んで返事をして、服屋さんの店員になったんですよ。

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