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『ハウルの動く城』を解説。型破りで真っ当な“恋愛映画”になった6つの理由

 2021年4月2日、「金曜ロードショー」で『ハウルの動く城』が放送されます。本作で重要なことに、宮崎駿監督が完全に「恋愛映画」として作っていることがあります。「僕はこれまで色々な作品を作ってきましたけど、いつも必ず男と女が出てきました。今回はそれを正面にすえて、初めて本格的な恋愛映画を作ろうと思います」と宣言していたこともあるのですから

ジブリ 日テレ

※日本テレビ公式サイトより

 実際に『ハウルの動く城』はいかに恋愛を、従来の枠組みに囚われない、しかし真っ当なかたちで描いていたかを追っていくと、さらに面白く観られる内容でした。そのことを、6つのポイントに分けて解説していきましょう(※以下からは『ハウルの動く城』本編の結末を含むネタバレが含まれます。まだ観たことがない人は、鑑賞後にお読みください)。

1:イケメンなだけでない、ハウルの問題

ジブリ

『ハウルの動く城』© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

 魔法使いのハウルは見た目も行動もイケメンそのものであり、しかも声はあの木村拓哉。たくさんの女性をとりこにしたことは言うまでもありません。しかし、宮崎駿監督は明らかに「イケメンだけど問題(欠点)のある人物でもある」と、ハウルの二面性を示しています。

 その証拠のと言えるのは、誰もがうっとりとしたであろう、序盤の「空中散歩」のシーンにおける絵コンテです。ソフィーに顔を寄せたハウルが「上手だ」と言うシーンでは、「これが誤解を生むのだ」と書かれているのです。

ハウルが「問題のある人物」な理由

ジブリ

 実際の劇中でも、ハウルはその「誤解」を証明するかのように、はっきり問題のある人物としても描かれています。箇条書きで記しておきましょう。

・お風呂が超汚い
・ソフィーが棚を掃除して呪い(まじない)がめちゃくちゃになったおかげで髪の色が変わると、「美しくなかったら生きていたって仕方がない」と言い放ち、以前に女の子にフラれた時のように闇の精霊を呼び出そうとしてドロドロになってしまう。
・「僕は本当は臆病者なんだ。このガラクタは全部魔女よけの呪い(まじない)なんだよ」と素直にソフィーに打ち明ける
・自分が行きたくないから、ソフィーに魔女サリマンのところへ行って欲しいと頼む

 その「美しくなかったら生きていたって仕方がない」というハウルの言葉を聞いたソフィーは、「ハウルなんか好きにすればいい! 私なんか美しかったことなんて一度もないわ!」と憤ります。「自分の美に執着しすぎ」なハウルの性格が、はっきりソフィーを傷つけてしまっているのです。

 宮崎駿監督が絵コンテに「これが誤解を生むのだ」と書いていたのは、「ハウルはただただ良い男というわけでないですから気をつけなさいよ」と、ソフィー(観客)を心配していたからなのでしょうね。しかしながら、ほとんどのシーンで、ハウルがとんでもなくイケメンに見えるということもまた事実。誤解をさせるほどの罪な男であることも、またハウルの魅力なのですから、なんだか悔しいですよね。

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