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藤原竜也はクズな役がなぜハマるのか?映画『鳩の撃退法』でもわかる、その理由

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 2021年8月27日より映画『鳩の撃退法』が公開されている。本作の目玉となっているのは、映像化不可能と言われた山田風太郎賞を受賞したベストセラー小説の映画化であること、そして豪華キャストの共演、特に藤原竜也が主演を務めていることだろう

鳩の撃退法

©2021「鳩の撃退法」製作委員会  ©佐藤正午/小学館

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 その藤原竜也は、2014年に放送されたバラエティー番組『火曜サプライズ』で「クズの役しか来なくなった」と自虐っぽく言ったことが話題になった。この時にネットでは「それはすごいことだと思うよ!」などと励ます声が多く寄せられたのだという。

 筆者も同じ気持ちだ。俳優はクズな役を演じてこそ煌めく瞬間があり、だからこそ好きになれるし、応援したくなることも往々にしてある。そして、今回の『鳩の撃退法』は、やはり藤原竜也がクズな役を演じ続けていたからこその、「クズな役を多く演じていた印象さえも有効に利用した」役柄だったと思うのだ。まずは藤原竜也のキラリと輝いていたクズな役を振り返ってから、その理由を記していこう。

藤原竜也の見事なクズな役の振り返り

 藤原竜也の大きな転機……というよりも、明らかにその後にクズな役を多く演じるきっかけになったのは2009年の『カイジ 人生逆転ゲーム』だ

 その前にも、藤原竜也は2006年の実写映画版『デスノート』の前後編で、主人公でありながらも多くの人を死に追いやる、殺人ノートに取り憑かれた悪人を演じていた。だが、そちらは(間違った)信念と矜持(きょうじ)を持ち行動する、どちらかと言えば「イヤなエリート」なキャラではあったので、やはりクズな役のはしりとなったのは『カイジ』のほうだろう。

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『カイジ』で藤原竜也が演じたのは、借金まみれのダメ人間だがいざという時には勝負強さを見せる青年。その演技は、とにかく大仰に叫ぶものがほとんどで、通常の映画であるとオーバーアクトだとネガティブにも捉えられるものだ。

 だが実際は概ね大好評であり、今に至るまで藤原竜也の代名詞のような存在になっている。もはや良いとか悪いとか、原作と見た目が似てるとか似てないとかの次元ではなく、「これはこれで立派な藤原竜也だ」と思えるキャラクターになっているのは、お笑い芸人「Gたかし」のネタにされていることからも明らかだ。

『カイジ』以降もクズ役が続々と…

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 そんな「もはや笑ってしまう」領域の『カイジ』以降で、本格的なクズな役に躍り出たのは2013年の『藁の楯』。こちらでは全く笑うことなどできない、少女を暴行した末に殺害する殺人鬼という、吐き気を催すほどの邪悪に扮している。

「グッ」と親指をあげて喜びを表す様や、ヘラヘラとした笑いを浮かべながらおぞましいことを口にする憎たらしさは筆舌に尽くし難い。やや童顔で愛らしくさえ見える藤原竜也だからこそ、その言動の醜悪さのギャップが際立っていたし、そんな奴を「守らなければならない」主人公たちの理不尽さが胸に迫るものとなっていた。

 さらに、藤原竜也は2014年の『るろうに剣心』2部作では、大ボスである「志々雄真実」を演じた。全身が包帯に巻かれたキャラクターであり、その素顔を見せることはほとんどないのだが、注目は「掠れた声」だろう。かつて「大火傷を負った」を設定を、まるで「肺まで焦げついている」かのような声で表現したかのような、藤原竜也の元々の声質も見事に生かした役となっていた。

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