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カリスマ社長が壊れていった…28歳社員が経験した職場崩壊

コラム

 転職してみたところ、それまで培ったスキルが全く通用しなかったら悲劇的ですが、それを完全に避けるのも難しいもの。そうした状況を避けたいがために、多くの人は現在の職場に不満があってもなかなか転職する重い腰をあげられないのかもしれません。

転職イメージ

画像はイメージです(以下同じ)

 Web系の企業でデザイナーをしている桂裕紀さん(28歳・仮名)は、まさにそんな仕事遍歴を経た経験があるそうで、「当時は人生で一番辛い時期だった」と語ります。

業界でも名の知れた事務所で働くことに

「僕は美大を卒業しましたが、デザイナーで食べていく気はなかったんです。最初に就いたのはアパレルの販売の仕事でした。でもこのままずっと続けるのもなあと思うようになってなんとなく門を叩いたのが、工業デザインを専門に行っている事務所でした」

 桂さんが入ったのは、業界でもよく知られた人物の事務所で、デザイナー兼社長のアシスタントとして働くことになったそうです。

「徹底してこだわってデザインを生み出す人で、新たな材質を使う際には、その材質が誕生した経緯まで調べてデザインに活かそうとしているほどでした。こだわり抜いたデザインは業界内でもとても評価が高く、大学時代の友人たちには『デザインに興味がなかったおまえが、なんでそんな良いところで働けるんだよ』と文句を言われるぐらいでした」

 社長は部下に無茶を言う様なタイプではなく、スタッフたちがコツコツと1つのことに打ち込む職場は居心地が良かったと言います。

社長の様子が徐々におかしくなって

ブラック職場

「時間を掛けて良いものを生み出す職人気質な環境を気に入りました。自分もこの世界で生きていこうと思えましたし、大企業の社員が自分みたいな駆け出しを丁重に扱ってくれるのも心地良かったです」

 しかし、そんな理想的とも思える職場環境にも、いつからか暗い影が差すようになります。

「社長があまり会社に来なくなったんです。人と会ったりすることよりも、自分が手を動かすことを重視する人だったので、どうしたんだろうと思いました。たまに事務所に来ても、二日酔いで呂律(ろれつ)が回らないような状態のことが多くなりました。社長が仕事をしない分、スタッフたちが奔走することになったんですが、手が回らないので、新米の自分のアイデアがそのまま企業にプレゼンせざるえないこともありました」

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