残業月150時間を続けたら、人格がブッ壊れた。20代で命を削った過酷職場
忙しいという言葉は「心を亡くす」と書きます。仕事は本来、生活を豊かにするために打ち込むべきものですが、なかには強い責任やプレッシャーにさらされて過度に追い込まれてしまう人も……。
30代後半の男性・冷泉次郎(仮名)さんは、20代の頃に味わった過酷な職場環境を語ってくれました。
飲食店紹介サイトに新卒で就職
20代半ばの頃、飲食店紹介サイトなどを運営する企業で冷泉さんは働いていました。新卒で入社してから数年。順調にキャリアを重ねていた冷泉さんは当時の職場環境を振り返ります。
「僕が任されていたのは、あるサービスの現場リーダーでした。サービス自体や社内で動くスタッフたちの業務企画、ユーザーの動向を見守るWebマーケティングなど、やるべきことはたくさんあったものの、当時はやりがいを感じていました。
ただ、2011年の前後くらいから、担当していたサービスのリニューアルが決まると共に、だんだんと様子が変わってきまして……。気が付けば慣れない業務が続くなかで忙しくなり、残業時間が月平均で80時間ほどにふくれ上がっていきました」
気が付けば残業が150時間超えに
2010年の秋ごろから2011年の2月頃にかけて、それまでとは異なる業務に打ち込まざるをえなくなった冷泉さん。そこからだんだん、仕事へ追い込まれるようになっていきました。
「大きく変わったのは、2011年3月に起きた東日本大震災からでした。会社から『被災地の飲食店復興を目的とした業務へ関わってくれ』と言われて、すでに任されていたサービスのリニューアルと並行しなければならなくなったんです。
慣れないながらもどうにか業務をこなそうと必死になっていましたが、なにぶん前例のない事態だったこともあり、誰かに教えてもらうこともできない。そうしているうちに、残業時間が月平均で150時間ほどになっていました」