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繊細すぎる「HSP」当事者の恋愛事情。大前提のルールと「NGな言葉」

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 今、「繊細さん」と呼ばれる人を扱った関連本が売れている。長年、多くの日本人が繊細さから生きづらさを感じていた原因が「HSP」という気質だと判明したのだ。もしも同僚やパートナーなど、身近な人が「繊細さん」だとわかったとき、周囲の人たちはどう対応する必要があるのか? 同棲3年目のカップルに取材した。

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写真はイメージです

※HSP(Highly Sensitive Person)…「ハイリー・センシティブ・パーソン」の略。感覚から得た情報を処理する神経が敏感で、刺激や他人の感情に過敏に反応する特性を持つ人を指す言葉として話題に。’96年、アメリカの心理学者、エイレン・N・アーロン氏が提唱したことで認知された。

「繊細さん」とどう接するべき?

 対人関係から生きづらさを感じがちな繊細すぎる人々。特に他者との共同生活はどんなに相手を愛していても苦悩の種となる。

「昔から音に敏感で、同棲中の彼女が洗ったお皿をガチャンと水切り棚へ置く音にもビックリして跳びはねてしまう。あまりに驚くから、『大げさだ』『気にしすぎでしょ』と言われるんですが、悪意はないとわかっていても彼女にも変人扱いされるのはしんどい。ひとりトイレで泣くこともありました」

 そう語るのは幼い頃からHSPに苦悩してきた上田貴教さん(仮名・35歳)。同棲相手の田中詩織さん(仮名・30歳)とは3年一緒に暮らすが、彼女のほうは「傷つけている自覚はなかった」と話す。

書店でHSPの本を見つけてピンときた

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2年前に彼女が買った本がきっかけでHSPを知った二人。「私にも細やかに気を使ってくれるし、優しい人柄が好き」(詩織さん)

「めちゃくちゃ細かい人だなぁ程度にしか思ってなくて、ズケズケと失礼なことを言ってました(笑)。でもある日、書店でHSPの本を見つけて『きっと彼もそうだ』とピンときて。二人で本を読んで、今は彼が持つ繊細さを理解しようと努めています」

 詩織さんは普段から極力大きな音を立てないよう気をつけているほか、物への愛着が深くなかなか捨てられない彼にはクシャクシャになったレシートですら「これ捨てていい?」と事前に確認するルールを設けている。

「病気でもなんでもなく、『彼はそういう人なんだ』と知識として知ったことで私も彼と接しやすくなりました。今は以前よりお互い無理なく暮らせているんじゃないかな」

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