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繊細すぎる「HSP」当事者の恋愛事情。大前提のルールと「NGな言葉」

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「生まれ持った感性を否定しない」が大前提

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 5人に1人はいるとされるHSP。パートナーでなくても、職場などで繊細さを持つ人と接する機会はこれからも無数にあるはずだ。十勝むつみクリニック院長・長沼睦雄氏はこう語る。

「近くにHSPの人がいたら、まずは自分とは違う見え方、聞き方、感じ方があるということを頭で理解することが大切。『気にしすぎだ』『なぜそうなる?』といった言葉は相手の感性を頭ごなしに否定することと同義なので避けるべき。加えて、どのような刺激が苦手なのかも聞けるとベストです。相手が抱える悩みがわかれば、対応しやすくなるはず」

 長沼氏も指摘したように、これまでの人生でたびたびその感性を否定されてきたことで、「HSPには自己肯定感がとても低い人が多い」と分析するのは、HSPの対処法をまとめた書籍を上梓した医師、西脇俊二氏だ。

「だからこそ『そこに気づくのはさすがだ』といった具合に、これまで否定されがちだった繊細さを褒め、自己肯定感を高められる言葉をかけるよう意識すべき。また、話す際の声の大きさや仕草も極力フラットに。『何?』と聞き返すひと言でも、語気や表情、身ぶりで繊細な人が受け取る印象は大きく変わるもの。穏やかな振る舞いを心がけましょう」

 ここまで気にして接するのは逆にストレスフルな気もするが……こうして周囲が理解を示す姿勢を少しずつでも見せてこそ、生きづらさは解消されていくのだ。

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【繊細な人に言うべきでない言葉】6選
■「やらないだけでしょ」
■「気持ちの問題だ」
■「なんで気になるのかわからない」
■「それくらい誰でもある」
■「みんな頑張っている」
■「普通に見えるから大丈夫だよ」
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【長沼睦雄】
HSP臨床医・十勝むつみのクリニック院長。開業以来、HSP、神経発達症、発達性トラウマ、アダルトチルドレンなどの治療に専念している。

【西脇俊二】
精神科医・ハタイクリニック院長。『繊細な人が快適に暮らすための習慣医者が教えるHSP対策』(KADOKAWA)など、著書は20冊以上。

<取材・文/アケミン 松嶋三郎 城戸和弘 大格宗一郎 撮影/杉原洋平>

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