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台風で崩壊した「クソ物件」をクラウドファンディングで再建する理由

ビジネス

 9月18日、全国宅地建物取引ツイッタラー協会(以下、全宅ツイ)が「伝説のクソ物件再建プロジェクト」として高円寺北二丁目の土地(12.7㎡)に定期借地権を設定、商業店舗の開発および運営を行うと発表しました。

高円寺

高円寺純情商店街

 それに併せて建築費用の一部をクラウドファンディングで募り、開始12時間で目標額の500万円を達成し現在も支援が集まっています。ツイッターでトレンド入りするなどネットが大注目の不動産プロジェクトについて、発起人の一人である全宅ツイ会員のかずお君@kazuo57)さんから話を聞きました。

伝説のクソ物件 ドリフうどん屋とは

――今回のプロジェクトの経緯を教えてください。

かずお君:2018年のクソ物件オブ・ザ・イヤーで3位入賞のインパクトを残した高円寺のドリフうどん屋ですが、1年近く経っても再建や活用がされず放置されてました。

 一方、僕らは2019年末頃、定期発行している「全宅ツイ不動産チンパンジー情報」のおかげで多少のキャッシュがあったので、「なにか不動産買おうか」「高円寺のあの薄い土地なら買えるんじゃない?」と冗談で話に出ることがありました。

 それが2020年になると、コロナで世の中が停滞し、全宅ツイの活動にも影響が出るなかで「今年はどんな活動をしようか」という話になり、「じゃあ高円寺の土地を地上げしてみるか」みたいな感じでプロジェクトが始動しました。

うどん

高円寺駅北口で営業していた「うどん・そば桂」のこと。2018年の台風被害で薄い店舗が倒壊、その様子がコント番組の大オチを彷彿とさせることから「ドリフうどん屋」の愛称でクソ物件ファンの間で親しまれている

土地を購入しようとするも計画変更

――当初は借地ではなく、土地の取得を考えていた?

かずお君:はい、当初は購入で検討してました。ですが地主様にコンタクトしてお話を聞いたところ、道路拡張で削られた残地ではあるものの、非常に思い入れがある土地であり、売却はしない意向であることがわかりました。

 とはいえ、駅徒歩1分の一等地を草ボーボーで活用せず放置しとくのは、街にとっても良くないことです。そこで「街の賑わい創出に貢献したい」と今回のプロジェクトを提案した結果、土地を貸していただけることになりました。

 地主様に建物を建てていただき家賃をお支払する方法もありましたが、土地をお借りし、僕らが施主となり店舗を建てたほうがいいということで、事業用の定期借地契約を結ばせていただいた次第です。

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