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台風で崩壊した「クソ物件」をクラウドファンディングで再建する理由

ビジネス

潰れてケバブ屋になっている可能性も…

うどん

店舗平面図。限られたスペース最大限有効活用する工夫が随所に

――建物名称を(仮称)全宅ツイ会館とされてますが、竣工後は本店移転登記をするのですか?

かずお君:それは考えてます。ですが数か月で潰れてケバブ屋になっている可能性も十分あるので迷うところです。

――高円寺のプロジェクトは、全宅ツイのビジョンの中ではどのような位置づけですか?

かずお君:誰もが活用できないと思ってる不整形のヘタ地だけど、抜群の立地である。こういう場所を僕らの企画力で飲食店として成立させることができれば、新しいチャンスもあると考えてます。高円寺以外でも、赤羽とか錦糸町のようないい意味でダメな街の駅前で遊んでる土地があったら、ガンガン開発していきたいです。将来的には薄い商業店舗ファンドを作りたいです!

――やはり、立地が高円寺だったことは大きい?

かずお君:その通りです。プロジェクトの進捗のため、4~5月と現地に行ったんですけど、世の中があれだけ自粛ムードに包まれる中、高円寺の飲食店はしっかり稼働してて、昼から飲んでる人がたくさんいて「最高の街だな」と感じました。

12時間で500万円。クラファン中の人も驚いた

――クラウドファンディング開始後、12時間で目標額だった500万円を達成されてます。

かずお君:2~3日はかかるかなと思ってたので、思ったより早かったです。とはいえ、話題になってるうちの短期決戦だとは予想してました。

――このことで「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」から何かリアクションはありましたか?

かずお君:担当者が「圧倒的スピードだ」とめちゃくちゃ驚いてました。通常、飲食店のクラファンは食事券や割引チケットをリターンに用意するのに、我々はそういうのを一切用意せず、名誉しかない。「それでいけるんだ」って顔してましたね。このスピードで成立するのは、アイドルやセクシー女優以外での前例がないそうです。

――クラファン成功の要因はどこにあると考えますか?

かずお君:誰かがつぶやいてたんですが、「信用が資産に変わる瞬間を見た」まさにそうだなと思いました。全宅ツイという、ネットで何か面白いことをやってる不動産のプロ集団が、クソ物件を自ら再建するというストーリーをみなさんが面白がってくれて、見返りもないのに応援してくれた。クラウドファンディングの本質的な使い方だったのかなと思ってます。

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