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「事業用定期借地権」を選択した理由

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街角に賑わいを生むスポットとなることを地主に対して提案

――事業用定期借地権とは?

かずお君:借地権には大きく2種類あって、普通借地権と定期借地権に別れます。定期借地はさらに3つに分類され、一般定期借地権、建物譲渡特約付借地権、そして商業をやる場合の事業用定期借地権となります。

――事業用定期借地権を選択することに何かメリットがあるのですか。

かずお君:一般定期借地権ですと50年超の契約になるため、お互いイメージがつかないということで10年から契約ができる事業用定期借地権を利用いたしました。

――契約にあたり公証役場で公正証書を作られたようですが、どういう意味があるのでしょう?

かずお君:弊社代表社員の新宿太郎総帥(@from_naname)と、地主様の代理人とで杉並公証役場で公正証書を結んでいます。これは事業用定期借地の設定契約は公正証書で作成する必要があり、それ以外は無効となるためです。一般住宅と比べて揉め事やトラブルが発生しやすいためでしょう。公正証書は裁判の効力と一緒で、その内容が裁判で否認されたり無効になることがないのでトラブルを防げます。

わずか0.4平米に狂喜乱舞

――当該土地は非常に狭く、建築にあたっていろいろと制約があるのでは。

かずお君:プロジェクトが始まって10パターン以上のプランを検討しています。法的制限と建物の構造、商業建築としての魅力の3つを成立させる必要がありました。これがとても難しかったです。

 とても薄い建物なので、構造的な強度を担保し倒れないようにするためには壁の面積が多くなる、一方で商業建築としてお店の中は広く見せたいので大開口がほしい。これを両立させるために細かな調整が続きました。

――では、でき上がる建物には、すごい工夫が詰まっている?

かずお君:そうですね。あと、実際に測量を入れて土地の面積を測ったら、公簿上の面積より0.4平米広いことがわかりました。このおかげで当初は横配置だったトイレの向きが縦にできて劇的にプランが改善しました。本当にわずかな面積なんですけど、プロジェクトメンバーは飛び上がって喜びました。

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