在宅ワークで急増中のクラウドソーシング。利用者の特徴は?
新型コロナウィルスは、想定外のスピードで日本の職場にテレワークを浸透させました。今回は株式会社ヴァリューズによる国内ユーザー行動ログから、登録者が倍増中のクラウドソーシングの利用動向を考察してみましょう。
クラウドソーシングの利用者も増加
緊急事態宣言が発令された4月は、中でもクラウドワークスのユーザーが急増しました。2019年秋以降ユーザーが減少気味だったココナラ、また一時期50万人を下回っていたランサーズも、今年に入ってユーザー数が増加傾向。
クラウドソーシングで提供されるのはどちらかというとオンラインで完結するデータ入力やプログラミング、デザイン、ライティングといった仕事が多いため、失業者の全てが流れてくるわけではありませんが、一定の相関は見られるといえそうです。
2020年3月末時点のクラウドワークスの登録ワーカーは前年同期比98万人増の369.2万人。ココナラとランサーズは人数を公開していませんが、「日刊SPA!」の記事によれば、ココナラは5月に月次の登録者数が前年同月比で2倍以上に急増、ランサーズも同様に昨年同期比2倍に増加しているとのこと。
専業フリーランスも会社員の副業も含む数ですが、いずれにせよクラウドソーシング、そして政府が進める「多様な就業形態の普及」にとっては追い風といえそうです。
勤務時間を超える勢いで減少する年収
コロナ禍に見舞われた2020年最初の半年間、働く人びとの給与所得は明らかに減少。ボーナスが支給される6月を除くと、パートタイム以上に一般労働者の給与所得が激減して5年前に比べて8割強の水準に下がり、とくに5月は84.2%に落ち込んでいます。勤務時間はやはり5月が85.3%と大幅に減ったものの、1-4月は9割以上なので、仕事量の減少を上回る勢いで給料が下がっています。
パートタイムに関しては2019年後半からもともと減っていた勤務時間が1月以降さらに減少して、5月には80.3%にまで落ち込んでいます。ただし給与所得は5月でも2015年の94.9%にとどまり、一般労働者ほどの減収ではありませんでした(仕事にありつけている人の話ですが)。
ビフォーコロナにおける一般労働者の勤務時間減少は、2019年の記事「二極化する副業の現実」でとりあげた2018年「副業元年」や働き方改革、生産性向上のための様々な施策の結果と考えられ、歓迎すべき面もあったわけですが、給料まで目減りするとなると話は別。
6月、12月のボーナス月以外、2015年よりそもそも一般労働者の給与所得は減っています。加えてこの夏は少なからぬ企業で業績連動の性格が強い賞与の抑制傾向がみられ、賞与を入れた全体金額ではバランスしていた年間給与所得も、もはやあてにならないかもという不安に駆られそうです。