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中国語を教える「美人YouTuber・李姉妹」の素顔。好感度の秘訣は?

学び

10分の動画を作るのに丸1日かかる

 チャンネル登録者数が増加すると、20年2月にクリエイター事務所「BitStar」からオファーを受け、サポートを受けながら取材依頼や企業案件を実施している。だが、動画のネタ探しや撮影、編集は今でも李姉妹2人で行っている。

「3万5000円で購入した『ファイナルカット』という動画ソフトを使い、姉妹で分担して編集しています。編集は本当に地味な作業で、10分間の動画を作る場合、撮影に1時間、編集には3〜6時間ほどかかるので、丸1日ぐらい時間がかかります

 姉のゆんちゃんは日中間で照明器具の輸出入を行う貿易業の会社を営んでおり、現在は7:3ほどの割合でYouTuberの活動割合が大きくなった。チャンネルを開設したのは約1年前。まだ更新頻度は少ないが、今後は力を入れて中華圏の方向けにも動画を作成していきたいそうだ。

「中国で人気の動画サイト『bilibili(ビリビリ動画)』への投稿も計画しています。中華圏の方向けに、日本生活の様子を私たちの日常を通して紹介していきたいです」

再生数が少なくても「続けること」が大事

李姉妹

観光スポットを紹介する動画も人気(提供:李姉妹)

 動画を見ると、説明が簡潔で分かりやすく、頭に入りやすい。実は姉妹ともに、短いながらも塾講師や家庭教師の経験が。姉は大学時代の冬休みに日本の塾で英語や数学を、妹も大学時代に中学生に英語の家庭教師をしていたことがある。

 YouTuberとしての人気が高まるにつれて、仕事の幅も広がった。’19年10月には、中国語検定試験「HSK」が主催するセミナーに講師として参加。李姉妹のファンたちも多数参加し、オフ会のような盛り上がりを見せた。成功の理由について聞くと、自分たちはまだまだと謙遜しながら、こう言った。

「続けることですかね。最初のうちは再生数が少なくても、それでも続けることが大事なんだと思います

 2014年に「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーが注目され、YouTuberが日本でも増加していったが、本当に好きでないと、なかなか続けるのは難しそうだ。

「コロナで外出が難しくなっていますが、状況が改善されたら、また中国各地の観光地を紹介する旅動画をアップしたいです」

 登録者数が20万人を超えても至って自然体な李姉妹。今後の活動に注目したい。

<取材・文/西谷格>

週刊誌などのフリーライター。神奈川県藤沢市出身。上海に6年住んでましたが、最近日本に戻りました。『ルポ中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)発売中。ツイッターは@nishitanitadasu

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