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カリスマ経営者の会社に転職したら…学歴コンプで経営ガタガタ

学び

 関西の有名私大を卒業、中東関係の企業に入社した有馬聡さん(仮名・28歳)。ネット配信を中心としたビジネス展開を行う、とあるカリスマ経営者の著書を全て読破するほどの熱心な読者でした。

 ある日、その憧れの経営者に会うと、「ぜひうちの会社に」とまさかの勧誘。すっかり舞い上がってしまった有馬さんは転職しますが、カリスマ経営者の会社でとんでもないことが!

 一体何が起こったのでしょう?

高学歴を重宝されて勧誘されたのが不運の源

あいさつ

※画像はイメージです(以下同じ)

 顧客から招待されたパーティで憧れのカリスマ経営者に会った有馬さん。

「挨拶をするだけでドキドキし、著書のことで聞きたいこともなかなかうまく言えずに焦ってしまって。つい大学のOBもカリスマ経営者の読者だと伝えると、『優秀な大学だね。実は僕も行きたかったんだ』とぽそり。

 経営者の意外な一面に面喰らいました。それからカリスマからいろいろ質問されているうちに、『わが社で働きませんか』とまさかの勧誘。すっかり舞い上がってしまいました」、

 有馬さんはそれから3か月後に転職しますが、そこで驚くべき会社の実態を知ります。

「すでに会社の組織がばらばらになっていました。カリスマ経営者を頂点にピラミッド型の経営ですが、経営者の野望が原因で550億円の赤字を抱えていたんです

無茶な野望の果てに。550億円の「夢の始末書」

倒産 ビジネス

 日本にメイドインジャパンのディズニーランドを作るとか、南の島を買収して、ぬくもりのあるサービスを施すリゾートアイランドのビジネスなど、夢のようなビジネスの実現のために巨額の投資を投入した結果のことだったそうです。

「そのため会社が倒産の危機に瀕し、ついにファンド会社に買い取られてしまったんです。買い取られる直前の借金は、1兆円を超えていました。ファンド会社にむしり取られるように、会社が解体したんです」

 10年ぐらい前に観たNHKドラマ『ハゲタカ』さながらの買収劇だったと、当時を振り返る有馬さん。

カリスマ経営者は失脚し、代表を解任されました。まさかと思いましたね。一体、彼の本に書かれていた経営の成功術は何だったんだろうと、裏切られたような気がしました。

 ガックリきて毎朝起床するたびに出社する気もなくて。だからといって転職するにも、気力が湧きません。生きる支えのようなものがなくなって、しばらくの間、茫然自失のような状態でした」

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