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カリスマ経営者の会社に転職したら…学歴コンプで経営ガタガタ

学び

 さらに追い打ちをかけるように、ファンド会社が連れてきた新社長は、外資系並みの成果至上主義。社風も一変してしまったそうです。

「成果至上主義がだんだん浸透していって、売り上げれば何をやってもいいという風潮になり、ちっとも面白くなかった。限界でした」

転職後に知ったカリスマ社長の返り咲き

悩み

 カリスマ経営者の解任から半年後に、有馬さんは転職活動を開始し、インターナショナルの色合いが濃い教育系の企業に就職します。

「ところが2年後に失脚したカリスマ経営者が返り咲いたんですよ。1兆円の借金を返済して、リゾート観光事業でも成功したんです。そのいきさつも出版されました。

 偶然にも、カリスマ経営者の本を執筆したというゴーストライターに会いましたが、とにかく人並みではない努力と彼が持っている強運が、返り咲きに導いたと言っています」

 そのとき、ゴーストライターに前々から気になっていたことを思い切って聞いてみた有馬さん。

「カリスマ経営者の弱みを聞いたんです。すると『学歴』とすぐに答えが返ってきて。やっぱりそうかと頷きました

カリスマ社長がハマッた「学歴コンプ」

学歴

 カリスマ経営者は高卒で、学歴がないというコンプレックスを持っていたため、側近を始めとして、高学歴者を常に周囲に配置しているそうです。有馬さんを勧誘したのも、偏差値の高い著名な大学だったからとわかりました。

「ちょっと複雑です。自分の可能性よりも学歴を気に入られたのかって」

 転職先の社長は、カリスマ経営者とは真逆の経営方針。学歴を問わず、能力のある人材をどんどん引き上げて、責任のあるポジションに配置するそうです。

「心機一転で頑張りたい」と有馬さんは学歴を重視しない会社で、ノビノビと仕事をしているそうです。

<TEXT/夏目かをる イラスト/三澤祐子>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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